890頭の乳牛がベネズエラへ アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)によると2月1日、ホルスタイン種の未経産牛890頭が初めてベネズエラへ向けて船積みされた。これは昨年のアルゼンチンにおける天然ガス・電力不足のエネルギー危機に際し合意された、ベネズエラから燃料油を輸入する一方、アルゼンチンから食料品などを輸出するという協定によるもので、ベネズエラのチャベス大統領のアルゼンチン訪問に合せて実現した。現在、ベネズエラが直面している国内消費向けの乳製品の供給不足を補うため、生産性向上を図ることを目的に、最終的には合計3千頭の乳用牛が輸出される予定となっている。
遺伝資源の輸出拡大に期待 CIALEの関係者は「今回の輸出はアルゼンチンにとって、大変重要なことである」とし、「遺伝資源の輸出可能性は無限にあり、世界中で要求があるはずなので、この機会を通じて門戸を広げていきたい」と大きな期待を寄せている。
2004年の乳製品輸出量は前年比59.4%増 こうした中、2004年のアルゼンチンの乳製品輸出量および輸出額はいずれも過去最高を記録した。アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)によると、国内生産量の増加や輸出価格の上昇に伴い、輸出量は前年比59.2%増の26万8,177トン(製品重量ベース、ただし牛乳は粉乳換算ベース)、輸出額は同85.1%増の5億4,012万ドル(約573億円、1ドル=106円)となった。主要な相手国は、輸出額ベースで、アルジェリア(全輸出額に占める割合、以下同じ:21.6%)、ベネズエラ(17.3%)、メキシコ(10.5%)、ブラジル(9.6%)となり、また、その輸出先は115カ国に上った。今回生体牛が輸出されたベネズエラは2003年は9,420トンだったものが、384.9%増の45,680トンとなり、輸出先第6位から2位となっている。
生乳生産量は前年比17.0%増 好調な輸出に支えられ、2004年の生乳生産量は前年比17.0%増の936万キロリットルとなり、2000年以降続いた減少傾向から4年ぶりに増加に転じた。この増大の要因は、2004年の生乳価格が比較的安定し、穀類などの飼料利用が増加したことにある。 |
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