衛生状況の好転で2004年の牛肉輸出も好調 ● アルゼンチン


中国、アルゼンチン産生鮮牛肉輸入を解禁

 アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)のプレスリリースによると、中国農業部および国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)は2月4日、1月26日付け共同コミュニケに基づき、アルゼンチン産生鮮牛肉等の輸入禁止を解除すると発表した。

 中国はこれまで南緯42度以北からの生鮮牛肉の輸入を禁止していたが、2004年11月17日に交わした覚書により、アルゼンチンが国際獣疫事務局(OIE)による口蹄疫ワクチン接種清浄地域のステータスを回復した後に解除することとなっていた。1月19日からのステータスの回復を受け、1月24日〜28日の間に中国で行われた協議で中国はこれを承認し、新たな合意書に署名された。なお、南緯42度以南(口蹄疫ワクチン不接種清浄地域)からの生鮮牛肉の輸入についても11月の交渉で合意されており、プレスリリースによると、2月中に中国がアルゼンチンに調査団を派遣して、数カ所の食肉処理場を検査し、最終的に輸出が承認されることとなるが、これらの手続きは6月30日までに完了することとなっている。

 

米国の輸入再開も期待

 さらにステータスの回復により、期待されているのが米国市場の生鮮牛肉の輸入停止の解除である。アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)および食肉輸出企業はアルゼンチンが今年取るべき基本的第一歩は米国農務省に輸入再開を働きかけることであるという点で一致している。米国はEUに次ぐ購買力の高い輸出先となるとみられる。SAGPyAでは、ステータスの回復に伴う公式書類を米国側に提出し、早期に口蹄疫撲滅に関する調査チームの派遣を要請するとしている。

 

2004年の牛肉輸出量は前年比57.8%増

 一方、SENASAによると、2004年の牛肉(生鮮肉、加工肉、ヒルトン枠)および内臓の輸出量は前年比57.8%増の47万8,124トン、輸出額は同66.3%増の10億5,307万ドル(1,116億2,542万円:1ドル=106円)となった。多くの市場がアルゼンチンの衛生状況の好転により再開されたことやBSE発生による米国産牛肉の輸入停止措置が要因であるが、中でも生鮮肉の輸出量は前年に比べ87.8%の大幅増となり、特にロシアが前年比290.4%増の9万3,227トンと、全体の32.0%がロシアに仕向けられた。なお、牛肉などの合計輸出額を国別に見ると、EU(合計輸出額に占めるシェア、以下同じ:39.7%)、ロシア(13.7%)、米国(7.9%)、イスラエル(5.8%)、アルジェリア(4.5%)となった。またその輸出先は現在、83カ国に上っている。

牛肉などの輸出量(上段)および輸出額(下段)
(単位:トン、千ドル、%)
資料:SENASA

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