生産意欲の高まりから更新牛価格が高騰


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生乳価格は低下傾向で推移 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、生乳農家販売価格(グレードA(飲用規格乳)およびグレードB(加工用規格乳)価格の加重平均)は、2005年4月以降連続して前年同月を下回って推移し、2005年上半期(1〜6月)では前年同期比6.7%安の100ポンド当たり15.2ドル(キログラム当たり38円:1ドル=112円)となった。
(左図参照:需給欄左のページ)

 

● ● ● 生乳生産量は増加 ● ● ●

 生乳価格の低下に転じたのは、昨年の乳価高騰を受けて生産者の増産意欲が高まったことが主な要因となっている。このため、生乳生産量は、2005年1〜5月で3,348万4千トンと前年同期を2.1%上回った。また、平均搾乳牛飼養頭数も前年同期比0.2%増の901万頭となるとともに、1頭当たりの月平均泌乳量が同1.9%増の743キログラムとなった。
このようなことから、2005年の年間生乳生産量は前年より増加するものと見込まれている。

 

● ● ● 更新牛価格の価格は上昇 ● ● ●

 一方、こうした生産者の生産意欲の高まりに陰を落としているのが、更新牛の供給不足である。2005年1月現在の乳用種未経産牛の飼養頭数は、413万3千頭と前年同月を2.8%上回ったものの、カナダからの生体牛の輸入停止が継続されていることもあり、更新牛の価格は2004年以降前年同月を上回って推移している。2004年7月は1,720ドル(19万3千円)と前年同月比で31.3%高と1,700ドル台を突破した。その後も2004年10月には1,640ドル(18万4千円)と同18.8%高となったのをはじめ、2005年1月1,620ドル(18万1千円)、同16.5%高、4月1,770ドル(19万8千円)、同12.0%高と上昇傾向で推移している。USDAは、このような状況が2005年後半まで継続するものと見込んでいる。
また、これに加えて、北西部および西部における水不足による粗飼料の供給不足なども懸念されているところである。

乳用種更新牛の価格の推移
資料:USDA/NASS「Agricutal Price」、USDA/ERS「Livestock,
Dairy, and Poultry Outook」
注:2004年以前は年平均価格である。


乳用種更新牛の価格の推移
資料:USDA/NASS「Agricultural Price」
注:各四半期毎の公表データ

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