● ● ● 2004年の一人当たりの豚肉消費量は43.4キログラム ● ● ●
欧州統計局(EUROSTAT)が発表した2004年(速報値)のEU15カ国における一人当たりの豚肉消費量は43.4キログラムとなり、ほぼ10年前の95年と比較して7.2%増とかなりの程度増加した。前年と比較すると0.9%とわずかに減少したものの、近年の一人当たりの豚肉消費量はほぼ横ばいで推移している。
● ● ● 豚肉はEUで最も好まれる食肉 ● ● ●
次に、2004年における豚肉以外の食肉の一人当たり消費量を見ると、牛肉が前年比0.5%減の20.0キログラム、鶏肉が同1.4%増の22.2キログラムとなっている。豚肉はこれらのほぼ2倍の数量となっており、EUでは最も好まれる食肉となっている。
これらの食肉のうち、一人当たりの消費量が近年で最も大きな伸びを示したのは鶏肉で、2004年は95年と比較して11%増とかなり大きく増加した。豚肉はそれに次ぐものである。EUにおいては、BSE、口蹄疫、豚コレラなどの家畜疾病などの発生が食肉の消費に大きな影響を与えてきた。特に、2000〜2001年のBSE危機再燃による牛肉消費への影響は大きかった。その後、牛肉の消費は回復してはいるものの、長期的には減少傾向にある。また、鶏肉の消費量は大きく伸びているものの、一人当たりの消費量は依然として豚肉との差が大きいことなどから、当面の間、豚肉の地位は不動であると思われる。
● ● ● スペインの豚肉消費が大幅に増加 ● ● ●
2004年の豚肉消費量を国別に見ると、第1位のスペインは95年と比較して20.2%増の63.8キログラムと大幅に増加したものの、第2位のデンマークは同11.4%減の56.9キログラム、第3位のオーストリアは同2.1%減の55.6キログラムとなり、スペイン以外の第2位から第5位の国で減少している。
なお、95年におけるスペインの一人当たりの豚肉消費量は当時第4位の53.1キログラムであるが、2004年までの期間に10キログラム以上増加している。スペインでは生産量増加を背景として、卸売価格が97年から記録的な下落を見せた。その一方で、政府が消費拡大のキャンペーンを行ったことが奏功し、98年の一人当たりの豚肉消費量は前年比15.9%増の74.4キログラムと大幅に増加している。
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