2007-2013年の予算の枠組みが焦点の一つ 欧州首脳会議(EUサミット)が6月16〜17日、ブリュッセルにおいて開催された。このサミットの焦点の一つは、2007年から2013年までのEUの予算の枠組みが合意に至るかであった。
分担金のGNI比を1%と提案する国も 欧州委員会は2004年7月、2007年から2013年の全体予算を1兆250億3,500万ユーロ(137兆3,546億9千万円:1ユーロ=134円)とすることを提案した。この予算を執行するためには、加盟各国からの分担金を国民総所得(GNI)比で1.24%とすることが必要としている。しかし、財政赤字となっている国など6カ国から、これを1%とするよう提案されている。
イギリスの負担超過是正措置の見直しも イギリスは、他の加盟国と比べ、EUへの財源拠出額に対し、共通農業政策(CAP)などの補助金受取額が比較的少ないことなどから、1984年より、負担超過を是正するため、ネットの負担金額の66%の払い戻しを受けている。欧州委員会は、今回の予算枠組みでは、現行の払い戻し措置を廃止し、これに代わる措置を提案している。
ボエル委員、予算規模の維持を訴える フィッシャー・ボエル委員(農業・農村開発担当)は6月10日、欧州家畜食肉取引業者連合(UECBV)の年次総会において、今回の予算枠組みの議論について次のようにスピーチしている。
議論は結論に至らず こうした中、今回の議論が行われたが、CAPの見直し、イギリスの負担超過措置の見直しで意見が対立し合意に至らなかった。今回の議論の前には、フランスおよびオランダの両国が欧州憲法を国民投票で否決しており、EUの統合の深化に大きな影を落とすこととなった。今回の会議において、予算枠組みについて合意に至らなかったので、2007年1月から執行する予算に関する作業に遅れが生じることになる。今回の議論は、今後の欧州の農業政策の展開にも大きく影響することから、引き続き注目していきたい。 |
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