● ● ● 乳製品需要の拡大により生乳生産は安定 ● ● ● 米国農務省(USDA)が先ごろ公表した乳製品の需給予測によると、2004年の生乳生産量は過去最高となった前年に比べて0.4%増の7,751万9千トン、また、2005年では同1.9%増の7,897万トンと今後も安定的に推移するものと見込まれている。その要因の一つとしては国内需要の拡大が挙げられ、2004年の乳製品消費量(乳脂肪ベースの生乳換算値)は同0.8%増の7,983万2千トン、2005年では同1.4%増の8,096万6千トンと見込まれている。 ● ● ● 2005年乳用牛飼養頭数は0.7%減 ● ● ● 近年の乳用経産牛の飼養動向をみると、99年、2000年では飼養頭数は増加したものの、2001年以降は再び減少傾向で推移している。2005年第一四半期における飼養頭数は、2004年に生乳価格が高水準で推移したことから前年同期と同水準で推移するものの、2005年後半では同0.7%減の894万5千頭と減少傾向が続くものと見込まれている。また、1頭当たりの年間乳量は2004年では同1.2%増の8,605キログラムと、配合飼料価格の高騰や牛成長ホルモン(BST)の供給制限の影響からその増加幅は小さいものの、2005年では同2.6%増の8,825キログラムと見込まれている。 ● ● ● 2005年の生乳農家販売価格は軟調に推移 ● ● ● このように近年生乳生産が安定的に推移する中、景気の回復を背景とする国内の乳製品需要の拡大とともに、生乳農家販売価格(飲用向け乳価と加工原料乳価の加重平均)は2003年7月以降連続して前年同月を上回るなど高い水準で推移している。2004年の平均生乳価格は、前年に比べて28.2%高の100ポンド当たり16.0ドル(1キログラム当たり約37円:1ドル=105円)となった。しかし、生乳の供給増を反映し、2004年9月以降は前年比増加幅も縮小傾向にあり、USDAによると、2005年における生乳価格は下降基調で推移し、2005年平均は同8.6〜13.5%安の同13.9〜14.7ドル(1キログラム当たり約32〜34円)と見込まれている。
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