12月の家畜市場の取引価格


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● イヤリング牛の値動き ● ● ●

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、12月のイヤリング去勢牛(C2、生体重400キログラム未満)およびイヤリング雌牛(C2、生体重400キログラム未満)の取引価格は、前月と比較するとそれぞれ、3.9%高のキログラム当たり(生体重)209.7豪セント(約174円、1豪ドル=83円)、同2.7%高のキログラム当たり(生体重)199.0豪セント(約165円)と値上がりが続いた。輸出向けフィードロットへの供給需要と国内向けと畜の競合により、肥育業者と食肉加工業者それぞれの買いが活発になっていることが要因となっている。前年同月比ではそれぞれ、18.5%、21.8%高となった。

図1 イヤリング牛の値動き
資料:MLA調べ


● ● ● 日本向け去勢牛の値動き ● ● ●

 日本向け去勢牛価格は、食肉加工業者がクリスマス休暇を前に生産水準を下げ始めたことや豪ドル高の進展などが影響して下げに転じている。MLAによると、12月の日本向け去勢牛の取引価格は、前月比4.0%安のキログラム当たり(生体重)171.8豪セント(約143円)と、前月に引き続き下落した。しかし、依然高水準で推移していることには変わりなく、前年同月と比較すると、10.6%の上昇となっている。

● ● ● 米国向け経産牛の値動き ● ● ●

 米国向け経産牛価格は、関税割当枠消化の駆け込み需要が一段落したことから、12月の取引価格は、10月初旬ごろの水準にまで値を下げている。MLAによると、12月の米国向け経産牛の取引価格は、前月比4.6%減のキログラム当たり(生体重)134.6豪セント(約112円)となった。

 10月、11月は米国関税割当期間の終了を前に、枠消化に向けて食肉加工業者の需要が北部(QLD州、NSW州北部など)に殺到し、一時は25豪セント(約21円)近い値上がり幅をみせた。この結果、同期間のNSW州およびQLD州の供給量は、食肉加工業者の駆け込み需要を受けて、前年同期を20%下回る水準までに落ち込んでいる。一方、南部は10月、11月においても目立った価格変動はなく、比較的価格は安定した。12月に入ると、米国関税割当期間が終了したことを受けて、北部食肉加工業者による需要も弱まり、市場は年末の小休止状態に入っている。

 ただし、前年同期と比較すると、日本向け去勢牛同様、依然高水準にあり、16.5%高となっている。

図2 日本向け去勢牛および米国向け経産牛の値動き
資料:MLA調べ

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