● ● ● 輸出は前年同期比84.9%減 ● ● ●
米国農務省(USDA)によると、2004年第1〜3四半期(1〜9月)における牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年同期に比べて84.9%減の13万3千トンとなった。
2003年12月23日米国で初めてBSE感染牛が確認されて以来、多くの国で米国からの牛および牛肉などに対する輸入停止措置が採られたため、同期における主要輸出国はメキシコとカナダのみであった。同期のメキシコ、カナダ向け牛肉輸出量は、それぞれ同54.8%減の9万7千トン、同83.8%減の1万4千トンとなった。USDAによると、(1)第3四半期では昨年水準の約65%まで回復しているメキシコ向けは、2005年ではさらに増加すること、(2)カナダ向けは、米国内での需要増により牛肉価格が高値で推移している影響により今後も減少傾向が続くこと−が見込まれている。
またUSDAによると、2004年全体の牛肉輸出量は前年に比べて82.4%減の20万トン、2005年では、このまま各国での輸入停止措置が継続されると想定した場合、同40.0%増の28万トンと見込まれている。
牛肉国別輸出量の推移
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資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :各年第1〜3四半期の数値(枝肉重量ベース) |
● ● ● 輸入は前年同期比26.3%増 ● ● ●
一方、同期における牛肉輸入量は、前年同期に比べて26.3%増の124万3千トンとなった。輸入国別にみると、カナダからは同70.1%増の35万5千トンと最大で、近年最大の輸入先である豪州からは、同6.0%減の35万4千トンとなった。また、ニュージーランドからは同4.6%増の26万2千トン、ブラジルからは同1.4%増の7万トン、アルゼンチンからは同43.3%増の3万8千トンと米国内の牛肉需要の高まりを受け軒並み増加傾向であった。
牛肉国別輸入量の推移
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資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :各年第1〜3四半期の数値(枝肉重量ベース) |
● ● ● カナダからの生体牛輸入を条件付きで再開 ● ● ●
また、同期における生体牛輸出入の動向をみると、輸出はカナダ、メキシコ向けで、全体では前年同期に比べて68.4%減の2万6千頭、一方、輸入はメキシコからを中心に全体では同23.3%減の90万7千頭となった。
米国農務省動植物検査局(USDA/APHIS)は2004年12月29日、カナダをBSEの最小リスク地域と認定し、同国から30カ月齢未満でと畜されることが確実な生体牛や月齢を問わず牛肉の輸入を2005年3月より認めることとする輸入規則を公表した。2005年1月2日にカナダで確認された2例目のBSE感染牛の問題も含め、今後の米国における牛肉輸出入の動向に注目したい。
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