10月の粉乳輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 前年同月比減少が続く輸出量 ● ● ●

 春先にかけて続いた悪天候の影響で、ニュージーランド(NZ)の10月粉乳輸出量は大幅に前年を下回る結果となった。スタティスティック・ニュージーランド(StatsNZ)によると、10月の脱脂粉乳輸出量および全粉乳輸出量は、それぞれ前年同月比44.6%減の2万4千トン、同18.1%減の6万トンと4ヶ月連続の減少となった。

 10月下旬に入って暖かさが戻りつつあるものの、春先にかけて酪農地域を襲った水害と冷害の影響で生乳生産に遅れが見え始めていることから、乳製品の生産も多くの地域で前年を下回って推移している。主要乳業会社であるフォンテラは、今期の生乳生産見通しを前年度比2〜3%増の想定で販売戦略を立てていたが、生乳生産ピークに当たる10月に生乳生産の実績が前年を下回ったことから、早々に見通しの下方修正を迫られた。

図1 脱脂粉乳輸出量
資料:Statistics New Zealand調べ

図2 全粉乳輸出量
資料:Statistics New Zealand調べ

● ● ● 輸出量の減少とNZドル高で輸出額も目減り ● ● ●

 国際価格は依然高水準で推移しているものの、輸出量の減少と世界的な米ドル安の進行によるNZドル高の影響で、粉乳輸出額は目減りした。StatsNZによると、10月の脱脂粉乳輸出額および全粉乳輸出額(FOB価格ベース)は、前年同月比38.1%減の7,379万NZドル(56億804万円、1NZドル=76円)、同8.8%減の1億8,880万NZドル(143億4,880万円)となった。

 乳製品の輸出額をシェア別に見ると、全粉乳が乳製品主要4品目(バター、脱脂粉乳、全粉乳、チーズ)の中でシェアを伸ばし続けており、10月の段階では44.3%と約半分を占めるに至っている。一方、脱脂粉乳は減少傾向で推移しており、10月は17.3%と前年同月と比べて6.5ポイントの下落となった。NZ農林省によると、全粉乳はさまざまな食料品の原料となることから新興国市場で需要が伸びており、最近は、脱脂粉乳より利益が上げられる全粉乳に生産がシフトしつつあるとしている。

図3 主要4品目のシェアの推移
資料:Statistics New Zealand調べ

● ● ● 今後の粉乳の需給見通し ● ● ●

 今後の粉乳の需給見通しについて、NZ農林省がこのほど公表した中期予測によると、非OECD諸国で引き続き脱脂粉乳から全粉乳へ需要が傾くことが予想される。中期予測によると、2004/05年度の脱脂粉乳輸出量は前年度比2.9%減の336千トンと減少が見込まれる一方、全粉乳輸出量は同1.1%増の664千トンと増加が期待できるとしている。NZ農林省によれば、世界的な全粉乳生産も脱脂粉乳以上に拡大が見込まれるとして、今後粉乳の生産・輸出は全粉乳へ重点を移すものと予測される。


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