堅調な豚肉価格


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 豚肉価格は前年同月比27.2%高 ● ● ●

 イギリス食肉家畜委員会(MLC)によると、EUにおける2004年12月の平均卸売豚肉価格(市場参考価格、枝肉重量ベース)は、前年同月比27.2%高の100キログラム当たり143.2ユーロ(約2万478円、1ユーロ=143円)となった。主要国の豚肉価格はイギリスを除いて、ドイツでは、同19.4%高の155.4ユーロ(約2万2,222円)、スペインでは、同31.4%高の133.2ユーロ(約1万9,048円)、デンマークでは21.1%高の126.1ユーロ(約1万8,032円)と軒並み増加している。

2004年12月の平均豚肉価格(市場参考指標価格)
(単位:ユーロ/100キログラム)
                              資料:MLC「Europian Market Survay」
                              注1:枝肉重量ベース
                              注2:各国の主要市場における指標価格


● ● ● 豚肉価格の上昇は供給不足が要因 ● ● ●

 MLCによれば、EU全体での価格の上昇は、供給量の減少が要因としている。2003年の猛暑により産子数の減少が大きく影響を及ぼした。また、新規加盟国(NMS10)においてEU統合の経済効果により、豚肉および加工豚肉需要も拡大したことが価格を押し上げるそれらの要素となっている。

● ● ● 子豚の需要が活発化 ● ● ●

 これら豚肉の供給不足を背景にEU域内での子豚の需要が増している。2004年12月に開催されたEU豚肉管理委員会報告によると、10月からの8週間でEU平均子豚価格は12%上昇している。豚肉の輸出国であるドイツへの主要な子豚供給国であるオランダでは2004年で子豚価格が前年比約50%高、スペインでも10月からの8週間で70%も高騰した。ただし、12月に入りそれらの国の子豚価格の高騰は続いているものの前年比20%高程度まで緩和されている。


元のページに戻る