USDA、2005会計年度の農産物貿易収支予測を発表


1950年代後半以来初めて収支額が均衡すると予測

 米国農務省(USDA)は11月22日、2005年会計年度(2004年10月〜2005年9月)の農産物貿易収支予測を発表した。農産物輸出額は前年比10.1%減の560億ドル(5兆8,800億円、1ドル=105円)、同輸入額は前年比6.3%増の560億ドルとし、1950年代後半以降、黒字で推移してきた農産物貿易収支が初めて均衡するとの予測を出した。これは、輸入額が、堅調な国内消費の伸びとドル安傾向により増加すると見込まれること、その一方で、今年豊作となったトウモロコシ、小麦などの主要穀物が輸出量では来年度230万トン増加すると見込まれるものの、これらの価格が低迷すると予測されることから輸出額が減少することなどがその要因であるとしている。

メキシコ、日本を追い抜き輸出相手国の第2位に

 畜産物関連の輸出額は、前年同の100億8,000万ドル(1兆584億円)になると予測している。2003年から2004年にかけて約30%も減少した食肉輸出(ブロイラー肉を除く)であったが、メキシコ向けの牛肉輸出の再開や堅調な日本、メキシコ、カナダ向けの豚肉輸出を反映した結果、食肉(ブロイラー肉を除く)は、前年比9%減にとどまるものとされ31億ドル(3,255億円)、130万トンを見込んでいる。なお、USDAは日本への牛肉の輸出停止措置が続いているとの前提で予測したとしている。ブロイラー肉については、中国との貿易再開決定や東ヨーロッパや中南米などへの輸出量増加で前年比4%増の220万トンを見込んでいるものの、弱含みのブロイラー価格により輸出額は、ほぼ前年同額の170億ドル(1兆7,850億円)にとどまるとしている。また、国別の輸出額の見通しについては、引き続きカナダが97億ドル(1兆185億円)で第1位となっているが、これまで第2位の輸出相手国であった日本は、輸出額が前年比9.7%減の77億ドル(8,085億円)になると見込まれるため、80億ドル(8,400億円)に達すると予測されるメキシコに追い越され、3位になるとしている。

減少する輸出額に対し、輸入額は6.3%増

 農産物の輸入額は、前述のとおり輸出額と同額になると見込まれているが、特にワイン、ビール、揮発性植物油(食品・飲料原料用)、食肉(牛、豚)などの輸入額が増加するとしている。米ドル安により割安感のあるカナダからの冷蔵牛部分肉の輸入増加や国内の経産牛と畜頭数が低迷していることに対応するためオーストラリアなどからの冷凍の加工原料用牛肉の輸入増加が見込まれることから、牛肉(子牛肉含む)は前年比8.4%増の38億ドル(3,990億円)になるとしている。また、カナダからの生体牛の輸入停止措置によりメキシコからの生体牛輸入が増加していることから、生体家畜(家きんを除く)は、前年比6%増の14億ドル(1,470億円)になると見込んでいる。

◎ブッシュ大統領、新米国農務長官にジョハンズ現ネブラスカ州知事を指名

 ブッシュ大統領は12月2日、11月15日に辞任を表明したベネマン米国農務長官の後任に現ネブラスカ州知事のマイク・ジョハンズ氏(共和党)を指名すると発表した。同氏は、アイオワ州の出身で1999年からネブラスカ州知事を務めている。


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