牛肉生産をめぐる動き


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 11月の1頭当たり平均枝肉重量は4.3%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると11月の枝肉生産量(枝肉重量ベース)は前年同月比13.2%増の91万3千トンとなった。2004年1〜11月では前年同期比7%減の1,023万9千トンとなった。と畜頭数は前年同月比8.4%増の263万頭、1〜11月では前年同期比8.1%減の3,012万3千頭となった。

 一方、1頭当たりの平均枝肉重量は4月から8カ月連続で前年を上回って推移し11月は前年同月比4.3%増の350キログラム、また1〜11月では前年同期比1.4%増の343.1キログラムとなった。

図 1頭当たり平均枝肉重量の推移
USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


● ● ● フィードロット飼養頭数は増、導入出荷は減少 ● ● ●

 11月の全米のフィードロット飼養頭数は前年同期比2.7%の1,133万4千頭となった。主要7州でみると6.7%増の985万6千頭となった。主要7州のフィードロット導入頭数は2003年11月から前年同月をおおむね下回って推移し、前年同月比1.1%減の232万3千頭、出荷頭数は2003年10月から前年同月を下回って推移し1%減の155万3千頭となった。

 2003年から肥育素牛価格が記録的に高騰しているがその状況が現在も継続しておりフィードロットは新規に導入頭数を増加させるよりも肥育期間を長期化し出荷重量を増加させる動きに出ているものとされ、結果として平均枝肉重量が増加したものと考えられる。また、今秋はトウモロコシなど飼料穀物の生産量が記録的増加し飼料価格も下落していることも一因として考えられる。

● ● ● フィードロット、トップ30の収容能力は0.5%増 ● ● ●

 米国の食肉コンサルタントである「Cattle Buyers Weekly(CWB)」社は、2004年の肥育牛最大収容能力における上位30社を発表した。それによると、フィードロット上位30社のフィードロット数は昨年と変らず116カ所、合計収容能力は前年比0.5%減545万9千頭と昨年の543万2千頭から2万7千頭増加した。上位10社の顔ぶれに変化はなかったが昨年3位のコナグラ社をスミスフィールド社が買収し3位となっている。1位はカンサス州のフィードロットを買収したカクタス・フィーダース社(テキサス州)が収容能力52万頭、同2位はコンチビーフ社(コロラド州)45万5千頭、同3位スミスフィールド社(ウイスコンシン州)38万7千頭となっている。収容能力を増加させたのは、同5位フリオナ・インダストリアル40,000頭、同11位キャトル・エンパイア社25,000頭、同2位コンチビーフ社5,000頭の3社のみにとどまった。上位10社の合計収容能力は前年比1.3%減の296万7,000頭となった。

表 フィードロット最大収容能力上位10社(2004年)
資料:「キャトル・バイヤーズ・ウィークリー」

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