2004年1〜9月の鶏肉輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004年1〜9月の輸出数量は前年同期比7.3%減 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2004年1〜9月における鶏肉輸出量(可食処理ベース)は、148万8千トンと前年同期を7.3%下回った。国別に見ると、最大の輸出市場であるロシアは2.4%減の45万5千トンと2002年から3期連続で減少しているが、その減少幅は縮小している。

 メキシコは、2003年7月に2008年までの関税割当の実施と関税の緊急措置(SG)(年1%の関税枠拡大、SG発動時の関税率を段階的に低減)について合意以降、前年同月を上回って推移し、1〜9月は24.6%増の14万トンまで回復した。カナダ向けは10.5%増の7万7千トンとなった。

 一方、中国向けは、米国で発生した鳥インフルエンザにより2月から4月までの輸入停止措置により84.9%減の1万4千トン、日本向けは同じく2月から6月までの間の輸入停止措置の影響で52.4%減の1万9千トンとなった。

図1 米国鶏肉輸出量の比較
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:輸出量は、可食処理ベース

● ● ● 鳥インフルエンザによる輸入停止 ● ● ●

 米国では2004年2月にニュージャージー州で低病原性の鳥インフルエンザが確認された後、テキサス州で高病原性鳥インフルエンザが確認された。鳥インフルエンザはカナダや米国内のコネティカット、ロードアイランド、デラウエア、メリーランド州で確認されたため米国からの家きんおよび家きん肉製品の輸入停止措置が多くの国で採られた。輸入停止措置を2004年12月3日現在で継続している国は、検疫検査局(APHIS)の発表した鶏肉の輸出相手国56カ国のうち19カ国となっており、デラウエア州など一部地域からの輸入停止を継続している。なお、中国は2004年5月から2004年2月7日以前に船積みされた発生州以外の州からの輸入を認め、さらに、11月8日付けでコネティカット、ロードアイランド州を除く米国からの鶏肉および鶏肉製品の輸入停止を解除した。

● ● ● 2004年第3四半期の輸出量は、生産量の14.1% ● ● ●

 米国の鶏肉生産量に占める輸出量の割合は、約20%となっていたが、その割合は年々低下し、2003年以降15%程度で推移している。最大の輸出先であるロシア向け輸出の減少や鳥インフルエンザ発生による輸出先の輸入停止措置の継続などから2004年第4四半期(7〜9月)では14.1%となっている。

 また、生産量をみると2004年1〜11月の鶏肉生産量は、前年同期比6.2%増の1,415万3千トンとなった。この要因としては、生産者販売価格および卸売価格が前年同月を上回って推移しており、生産量は今年に入りほぼ連続して前年同月を上回って推移しているためである。

図2 鶏肉輸出量の推移(四半期ごと)
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注1:輸出量は、可食処理ベース
 2:国内価格は、北東部におけるもも(ホール)の卸売価格

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