米国の飼料穀物需給


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 飼料穀物生産3億1,800万トンを予測 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が2004年12月に公表した2004/05年度(10月〜翌年9月)の飼料穀物需給予測によれば、前月予測から350万トン上乗せされ、前年と比較し4,250万トン増加し3億1,800万トンとなるとされた。前月予測から増加した要因はトウモロコシと大麦の生産量の増加によるものとされる。期首在庫量と輸入量は前月と同水準であるが、供給量は増加基調となっている。

 2004/05年度の供給量は前月予測から30万トン減少し2億9,780トンとなったが、前年と比較し1,780トン増加するとしている。

● ● ● 2004/05年度トウモロコシ生産予測は記録を更新 ● ● ●

 トウモロコシ生産量は前月予測から1%増加、歴史的な記録となった昨年をさらに16%上回る117億ブッシェル(2億9,718トン)となると予測されている。2004年の平均収穫量は前年比12.6%増の過去最高となる1エーカー当たり160.2ブッシェル(1ヘクタール当たり8,912キログラム)とされている。これは、11月1日現在の主要生産地であるイリノイ、インディアナ、アイオワ、カンザス州などの主要10州で生産量がそれぞれ前年比3%を超える見込みとなっているためである。

● ● ● 飼料向け穀物消費指標(GCAU)は増加 ● ● ●

 2004/05年度の飼料向け穀物消費指標(GCAU)は、前年から50万トン増加し9,000万トンと予測されている。1頭当たりのGCAUは2003/04年度比4%増の1.87トンとされる。これは、トウモロコシを主な指標とする飼料穀物の生産量が増加すると予測されているため飼料穀物の市場価格が下落することが見込まれるとともに、加えて生乳生産は2005年は前年比2%増の1,710億ポンド(7,756万トン)、牛肉生産はフィードロット出荷重量が増加することから同1%増加するとされ、これによりGCAU数値は増加するとされる。

● ● ● トウモロコシ輸出量は前年比7%増加 ● ● ●

 トウモロコシ輸出量は、前月予測から50万トン減少するものの、前年比7%増の5,200万トンと見込まれている。しかしながら、10月のトウモロコシ輸出検査数量は前年をわずかに下回ったとされている。また、輸出向け販売数量は前年比10%減少するとされ、大きく落ちこんでいる。輸出量と輸出販売数量は、今後、昨年と比べて中国やブラジルなどとの競争により低調に推移すると見込まれている。


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