7月〜9月の乳製品輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 好調なチーズ輸出が輸出量の増加を下支え ● ● ●

 乳製品国際価格、とりわけチーズ価格の高騰とアジアのおう盛な需要に支えられて、オーストラリアの第一四半期(7月〜9月)の乳製品輸出は前年同期を上回る結果となった。デイリー・オーストラリア(DA)によると、第一四半期の乳製品総輸出量は18万トンとなり、前年同期と比べて7.0%の増加となった。内訳をみると、チーズ輸出が同36.4%増の5万9千トンと目立った伸びをみせた一方、バター(バターオイルを含まない)は同0.9%減の7千トン、脱脂粉乳が同4.6%減の2万4千トン、全粉乳が同1.4%減と3万5千トンなど、ほとんどの品目で軒並み前年同期を下回っている。
 チーズは、乳製品輸出量全体のうち、3割のシェアを占める主要輸出品目であることから、チーズ輸出の増加が全体の押し上げ要因となった。

図 第一四半期乳製品輸出量の構成
資料:Dairy Australia調べ

● ● ● 輸出額はほぼすべての品目で増加 ● ● ●

 輸出額については、国際価格の高騰の影響を受けて、全粉乳を除くほぼすべての品目で前年同期を上回った。DAによると、第一四半期の輸出額は、チーズ、ホエイ、バターの増加が特に顕著で、それぞれ同47.6%増の2億3千万豪ドル(約188億6千万円、1豪ドル=82円)、同38.3%増の2,228万豪ドル(約18億3千万円)、同19.2%増の1,898万豪ドル(約15億6千万円)とその増加が際立っている。この結果、乳製品全体では5億6千万豪ドル(約459億円)と前年同期を17.5%上回った。


● ● ● 需給のひっ迫は当分続く見通し ● ● ●

 最近の好調な乳製品輸出は、アジアのおう盛な需要が背景にある。乳製品の国際価格が依然高水準で推移する中、アジア経済が上向きに転じ始めたことから、アジアの乳製品需要は拡大しており、特に日本向けのチーズ輸出については前年同期比24.1%増とその伸びが目立っている。今後の需要見通しについてDAは、米国の景気減速懸念がアジア地域に波及する可能性があるとしつつも、当面はアジアにおいて経済成長が続き、需要も維持されるとしている。
 供給面は、二年間にわたって豪州を襲った干ばつから未だ回復途上にあり、生乳生産も干ばつ発生前の水準に戻っていないことから、2004/05年度も国際市場における需給のひっ迫傾向は続くとみられている。DAは、豪州の乳製品在庫が適正な水準に回復するまでにはまだしばらく時間がかかるとの見方を示している。


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