ブラジルと中国相互に向けた食肉輸出条件に合意
ブラジル農務省(MAPA)と中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)は11月12日、食肉などの貿易に関する協定に合意した。(11月16日付け海外駐在員トピックスで
既報
http://www.alic.go.jp/livestock/repnews/repnews200411.html
)
食肉については、下記のそれぞれに係る検疫と家畜衛生条件が締結された。主な内容は下記の通り。
(1) ブラジルから中国向けに輸出される鶏肉および骨なし牛肉
・ MAPAを検査、検疫および衛生証明書の発行に関する責任機関とする。
・ MAPAはと畜施設および処理施設に向けた法律と規定の整備責任、輸出向け鶏肉および骨なし牛肉に関する検疫などの検査責任を有する。
・ 輸出される鶏肉は、ブラジルで出生し飼養され、ニューカッスル病清浄地域に由来すること。骨なし牛肉は、国際獣疫事務局(OIE)が認定したブラジルの口蹄疫ワクチン接種清浄地域で出生・飼養され、乳を除き反すう動物に由来するいかなる材料も飼料として与えられていないこと。さらに過去12カ月間、ブラジルの家畜衛生規則に基づく制限あるいは監視などを受けていない生産農場に由来するものであること。
・ 生産施設(と畜、処理、貯蔵を含む)は、ブラジルおよび中国が定めた公共衛生および家畜衛生条件を満たしていること。
・ 輸出される鶏肉および骨なし牛肉に関し、こん包、貯蔵および輸送を含むすべての輸出プロセスが衛生条件に従い、危険物資および毒性物質から保護されていること。輸送中、疾病による制限地域または監視下の地域を通過しないこと。AQSIQが許可する特定の鶏肉または骨なし牛肉を除き、冷凍の鶏肉または骨なし牛肉の中心温度はマイナス18℃を超えないこと。
(2) 中国からブラジル向けに輸出される加熱処理鶏肉および豚肉
・ AQSIQを検査、検疫および衛生証明書の発行に対する責任機関とする
・ AQSIQはと畜施設および処理施設に向けた法律と規定の整備責任、また輸出向け加熱処理鶏肉および豚肉に関する検疫などの検査責任を有する。
・ 冷凍加熱処理鶏肉および豚肉は生産から輸出向け船積みまでの間、地方の検験検疫局(CIQ)の検査と監督の対象となり、完全な衛生状態が確認されてのみ輸出可能となる。
・ 鶏肉および豚肉は中国で出生し、飼養され、衛生上の制限のない地域、または疾病撲滅対策による殺処分が行われたことがない地域に由来すること。清潔で消毒した移動手段により生産農場からと畜場へ直接輸送し、出荷時には上記の条件を満たさない家畜との接触がないこと。と畜前、と畜後の検査において寄生虫症、感染症および伝染病の症状がないこと。鶏肉については、中心温度を最低30分間60℃で、または最低1分間70℃で保つこと、またはAQSIQ、MAPA間で合意された同等の加熱処理をすること。豚肉については、湯せんにより最低30分間、中心温度を70℃以上に保つこと。
・ こん包、貯蔵および輸送を含む加熱処理鶏肉および豚肉のブラジル向け輸出プロセスすべてにおいて有害および毒性物質の汚染から保護するための衛生条件に従うこと。
ブラジルは今後の輸出拡大に期待
この協定締結を受け、ロドリゲス農相は、「2005年中に中国に向け牛肉6万トン、鶏肉4万トンの輸出が可能となり、現在の輸出額を1億5千万ドル(156億円、1ドル=104円)上回ることになるだろう」としている。さらに2007年には、輸出額は8億5千万ドル(884億円)に上ると予測している。ブラジル側は食肉類だけでなく、果実と大豆加工品についての輸出も拡大したい意向であり、このため、これらに適用すべき規則や技術上の問題について検討するためのワーキンググループが設置された。同グループは60〜90日間に検討結果を報告書として提出することとなっている。
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