日米の牛肉貿易再開を巡る協議開催される


USDAは対日輸出の再開の時期について楽観的な見通しを公表

 ベネマン米国農務長官は10月23日、10月21日から3日間東京で開催された第4回日米BSE協議(局長級会合)の結果を歓迎するとの趣旨のコメントを公表した。同長官は、特別な市場プログラムにより米国産牛肉の対日輸出が可能となるであろうとの見通しを示すとともに、米国でのBSEの発生以降の貿易を正常化する上で重要な前進であると評価した。米国農務省(USDA)が同日に公表した質疑応答では、米国産牛肉の日本への解禁時期について、あくまで確定的なものではないとし、貿易再開の前に日本の当局が全頭検査を止めるなどの国内措置の見直しを行うことが必要であるとしつつも、数週間以内に輸出が解禁されるとの見通しを示した。このような楽観的な見通しについて、米国食肉輸出連合(USMEF)と米国肉牛生産者牛肉協会(NCBA)は、事態の前進を歓迎するも、慎重なコメントを公表した。コメントの内容は次の通り。

USMEF

 一番重要な市場である日本への牛肉の輸出再開を切望していたので、この合意に感謝している。日本は米国から輸入される牛肉は世界中のいかなる供給先よりも安全なものであるとの確信を得ることができるものと信じている。まだ難しい仕事が残されていることは理解しており、日本や米国におけるUSMEFの役割を果たす用意ができている。日本にどれだけの牛肉をいつ輸出できるのか実際に推測する前にUSMEFは日本との合意について良く検討し、米国政府と協議しなければならない。ただし、USMEFは可能な限り速やかに完全な貿易を再開されることを望んでいる。東京での合意は、米国に20カ月齢以下の牛由来の牛肉や牛肉製品を製品毎の月齢証明に関する生産記録により輸出を認めるというものである。また、長期的には正確な月齢を判定する他の方法について検証し、日本との合意により代替的な手法に移行することが可能となる。

NCBA

 ブッシュ政権は本日(23日)、日米は米国産牛肉を日本に輸出再開することを可能とするとの基本的合意に至ったと公表した。このニュースは米国の牛の飼養者と米国経済にとって歓迎すべきものである。12月23日のBSEの発生直後、NCBAはブッシュ政権に米国産牛肉の輸出市場の再開を米国の貿易課題の最重要課題とするよう正式に申し入れた。われわれはブッシュ大統領と彼の政府の市場再開に向けた努力を賞賛する。これは第一歩にすぎず、NCBAの2003年12月23日以前の日本との貿易状態に戻るとの目標には変わりはない。

 このニュースは直ちに日本市場に2003年12月23日以前のような市場のシェアを取り戻せることを意味するものではないことに留意しなければならない。日本市場のリーダーとしての地位を取り戻すためには多くの努力をしなければならない。

USDAは台湾との牛肉貿易の再開について基本的合意に達したと公表

 ベネマンの農務長官は10月26日、台湾が米国産牛肉の輸入を再開するとの基本原則について台湾政府との間で合意に至ったとし、11月10日から台湾当局の関係者が米国に現地調査に来ることを明らかにした。


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