2005年第1四半期の牛肉輸出入量


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 輸出は前年同期の2.7倍 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年1〜3月の牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は、2003年12月のBSE発生により、大幅に減少した前年同期と比較して2.7倍の 5万9千トンとなった。しかしながら、2002年同期の26万5千トンと比較すると77.8%減と大幅な減少となっている。

 2003年12月の米国のBSE発生以降、日本をはじめ多くの国が米国からの牛および牛肉などに対し輸入停止措置を採っている。米国農務省動植物検査局(APHIS)によると、当初61カ国が輸入停止措置を講じたが、その後輸入停止措置を完全に解除した国はブルガリアほか 5カ国に過ぎない。

 メキシコについては2004年3月、牛肉輸出証明(BEV)プログラムに基づき、(1)牛肉および牛肉製品はと畜月齢が30カ月齢未満のもの由来でなければならないこと、(2)先進的機械除骨(AMR)などによる肉を含まないこと、(3)肝臓については月齢の条件は付さないこと−などの条件付きでの輸入再開となっている。

 また、カナダも(1)牛肉および牛肉製品はと畜月齢が30カ月齢未満のもの由来でなければならないこと、(2)生体については、月齢を問わないと場直行牛および30カ月齢未満の肥育素牛であること−などの条件が付されている。

 2005年に入り、エジプトが3月23日、台湾が4月16日、オマーンが4月30日、レバノンが6月2日に牛肉などの輸入再開に合意し実行された(オマーンを除き、いずれの国も牛肉および牛肉製品はと畜月齢が30カ月齢未満のもの由来としている。)。

 米国BSE発生後、主要輸出国となったメキシコおよびカナダ向けの牛肉輸出量の全体に占める割合を見ると、2003年第1四半期には31.3%であったものが、2004年同期が59.2%、2005年同期が81.8%となっており、「NAFTAが支える形」となっている。

牛肉の国別輸出量の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 :各年第1四半期の数値(枝肉重量ベース)。牛肉製品を含む。


● ● ● 輸入は前年同期比4.8%減、南米産急増 ● ● ●

 2005年1〜3月の牛肉輸入量(枝肉重量ベース)は、前年同期比4.8%減の37万7千トンとなった。輸入国別に見ると、豪州が5 万1千トンと前年同期に比べ58.2%減と大幅に減少したものの、ウルグアイが6万4千トンと2倍以上増加したのをはじめ、牛肉調製品の主要輸入国であるブラジル、アルゼンチンからの輸入が大幅に増加した。

牛肉の国別輸入量の推移
資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注:各年第1四半期の数値(枝肉重量ベース)。牛肉製品を含む。

元のページに戻る