● ● ● 輸出数量は前年同期比17.2%増 ● ● ●
米国農務省(USDA)によると、2005年1〜3月におけるブロイラー輸出量(可食処理ベース)は、前年同期を17.2%上回る54万
4千トンとなった。国別にみると、最大の輸出市場となっているロシアは、前年同期比8.4%減の11万5千トンとなった。一方、カリブ海諸国は同55.4%増の
5万5千トン、メキシコは同36.2%増の5万2千トン、CIS諸国(独立国家共同体。旧ソ連から独立したウクライナなどの共和国の総称)は同163.1%増の
5万2千トン、香港は同28.5%増の4万トンとなった。また、日本向けは前年比40.5%増の6千トンとなった。これは、一昨年に発生した米国における鳥インフルエンザの影響から、昨年同期に大幅に減少したことによるものであり、この結果、2005年第一四半期は2003年同期の水準にほぼ回復した。
米国鶏肉輸出量の比較
|
|
資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注:輸出量は、可食処理ベース |
● ● ● 輸出価格は低下傾向 ● ● ●
平均輸出価格(輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除した値)は、米国国内での鶏肉価格の影響を受けて上昇が続いたため、2004年の平均は前年比19.7%高のトン当たり802ドル(87,418円、1
ドル=109円)となったが、2005年に入りブロイラー卸売価格が低下傾向で推移した結果、2005年1〜3月の輸出価格は、前年同期比4.6%安のトン当たり778ドル(84,802円)となった。国別にみると、日本向けは前年同期比7.2%高のトン当たり1,026ドル(111,834円)、ロシア向け同6.0%高のトン当たり717ドル(78,153円)となったものの、香港向けは同30.8%安のトン当たり642ドル(69,978円)となり、全体を押し下げる結果となった。
ブロイラーの平均輸出価格
|
|
資料:FAS/USDA「Export and Inport Trade Reports」
注 1:輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除した値
注 2:2005年は1〜3月の平均 |
● ● ● 2005年の輸出量は4.2%の増 ● ● ●
USDAでは、2005年のブロイラー輸出量について、第2四半期まで好調さを持続し、前年同期を大幅に上回るものと見込んでいる。この結果、2005年の輸出量は前年を4.2%上回る225万
4千トンと予測しており、国内需要の拡大と併せて、今後とも鶏肉需給は安定的に推移するものと見込まれている。
|