脱脂粉乳の政府在庫は引き続き減少


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 脱脂粉乳の卸売価格は国際価格を下回って推移 ● ● ●

 脱脂粉乳の卸売価格(西部諸州のFOB価格)は、2004年5月以降12カ月連続して、国際価格を下回って推移しており、2005年4月はトン当たり2,067ドル(22万5千円:1 ドル=109円)となり、国際価格2,225ドル(24万3千円)を7%下回った。

 このような国際価格の上昇を受けて、価格競争力が強まっている米国産の脱脂粉乳の2004年の輸出量は、前年の約2倍の23万1千トンとなった。これは商業輸出に負うところが大きく、乳製品輸出奨励計画(DEIP)に基づく補助金付き輸出量は 4万8千トンと前年を逆に29%下回っている。

 また、2005年に入っても脱脂粉乳の輸出は、1 月が2万8千トン、2 月が3万4千トン、3 月が3万6千トンと引き続き好調に推移しており、それぞれ前年同月の 4倍、7 倍、2 倍となっている。

 脱脂粉乳の輸出については、(1)豪州、NZの生乳生産量の回復が遅れること、(2)欧州産乳製品の供給不足、(3)国際的な乳製品需要の拡大−などから、今後とも、引き続き高水準で推移するものと見込まれている。

脱脂粉乳の月別輸出量、卸売価格、国際価格の推移
資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」、「Import and Export Data by Commodity」
参照:資料4ページ「エ 生乳と乳製品の価格」

● ● ● 脱脂粉乳の政府在庫は減少 ● ● ●

 このような中、商品金融公社(CCC)が、加工原料乳価格支持制度の下に実施している脱脂粉乳の買上げは2004年12月以降4カ月連続で、また、DEIPに基づく補助金付輸出も2004年 9月以降7カ月連続で行われていない。

 従って、CCCの脱脂粉乳の買上げ数量にDEIPに基づく補助金付き輸出数量を加え、CCCによる用途無指定の一般販売数量を除いた隔離数量は、単月ベースでマイナスとなる月も出てきている。このようなマイナスとなる月数は2004年が 4回となり、2005年に入ると1〜3月すべてがマイナスとなっている。この結果、CCCの未処分在庫数量は2003年7月の55万 2千トンをピークに減少し、2005年3月末現在では、前年同月を68.9%下回る10万7千トンにまで減少した。

CCCによる脱脂粉乳隔離数量の推移
(単位:千トン)
資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」
参照:資料4ページ「ウ 乳製品の在庫量」

脱脂粉乳の政府隔離数量および在庫数量
(単位:千トン)

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