米国の豚肉消費の構成−家計消費は78%


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 豚肉の消費構成調査は米国では初の試み ● ● ●

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は5月、94〜96年および98年に実施した個人の定期的食品摂取調査結果を基に行った豚肉の消費構成割合などの分析結果を発表した。

 今回の豚肉に関する分析は、USDAが初めて実施するもので、生鮮、加工品の消費動向をはじめ、流通チャンネル別、地域別、人種別の消費動向などの視点により行われている。

 ERSは今後の豚肉の消費動向について、消費量が比較的少ないヒスパニック系および高齢者の割合が増加するため、1 人1年当たりの消費量は将来的に減少するものの、人口の増加により米国全体の豚肉消費量は拡大すると見込んでいる。

● ● ● 豚肉の形態別消費量は加工品が全体の6割を占める ● ● ●

 調査期間における米国の1人1年当たり豚肉消費量は51ポンド(23.13キログラム、小売重量ベース、以下同じ)となっている。当該調査結果に基づき、豚肉が、テーブルミートとして消費される数量は19.2ポンド(8.71キログラム、シェア37.7%)である一方、加工品では31.8ポンド(14.42キログラム、同62.3%)と、米国における豚肉消費形態では加工品がその半分以上を占めていることがわかる。

 中でもスモークハムは14.4ポンド(6.53キログラム)と豚肉として一番多く消費されており、消費量全体の28.3%と、4 分の1以上を占めている。加工品では次いでソーセージ、その他加工品、ベーコンと続いている。一方、豚肉の部位別ではポークチョップ(骨付きロース)が大きなシュアを占めており、次いで、もも肉が続いている。

1人1年当たり豚肉品目別消費量
(1)豚肉
(単位:キログラム)
(2)豚肉加工品
(単位:キログラム)
資料:USDA/ERS「Factors Affecting U.S. Pork Consumption」
注:小売り重量ベース

● ● ● 豚肉消費の構成では家計消費が全体の78%を占める ● ● ●

 豚肉消費の構成については、家計消費(家計で消費するためスーパーマーケットなどの小売店で購入する場合)と外食などの2つに分類している。これによれば、豚肉全体の家計消費量は39.8ポンド(18.05キログラム)、全体に占める割合は77.8%となっている。また、その内訳をシェア別にみると豚肉が81.8%(消費量15.7ポンド(7.12キログラム))、加工品が75.8%(24.1ポンド(10.93キログラム))となっている。また、家計消費と外食などにおける食肉と加工品の割合を見ると、家計消費では39:61に対して、外食などは31:69となっており、外食などにおける加工品の依存度が高くなっている。

1人1年当たり豚肉消費構成割合
資料:USDA/ERS「Factors Affecting U.S. Pork Consumption」
注:レストランにはファーストフードを含む。

元のページに戻る