低病原性鳥インフルエンザに対する対策を提案 欧州委員会は4月28日、EUレベルでの鳥インフルエンザに関する対策を強化する指令(Directive)の提案を承認した。今回提案された対策は、最近の疾病発生から得られた経験と最新の病原体に関する科学的知見に基づいたものである。対策の目的は、鳥インフルエンザに対する適切なサーベイランスと予防をEUにおいて確実に行うことおよび同疾病の発生による健康リスク、経済コスト、社会での悪影響を最小限にすることとしている。
サーベイランスの強化 これまでは、一般的に低病原性鳥インフルエンザウイルスは重大な疾病を発生させていなかった。そのため、EUは、同ウイルスに対するEUレベルの対策を設定していなかった。しかしながら、同病原体が、高病原性鳥インフルエンザウイルスに突然変異すると、社会的に大きなダメージを与え、人にも影響を与える可能性があることが分かった。こうしたことから、今回の提案では、低病原性鳥インフルエンザウイルスに対するサーベイランスを実施するなどし、監視体制を各加盟国に要求することとしている。
ワクチン接種 今回の提案では、低病原性鳥インフルエンザが確認された場合にもワクチン接種を認めることとしている。ワクチン接種に当たっては、疾病の管理および貿易のためにも、接種の有無を明確にしなければならないこととしている。そのため、接種する域を最小限に抑え、接種していない地域における家きんの移動が継続できるよう明確にすることとしている。
2007年1月から適用の見込み 今回の提案は、今後、欧州議会の協議を経て、欧州理事会に提案されることになる。新規則の適用は、2007年1月1日になるものと見込まれている。なお、既存の理事会指令92/40/EECは、新規則の適用に伴い廃止されることとなる。 |
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