バイオテクノロジー特許料支払い問題に合意  ● 南 米


CAS、農業大臣宣言を採択

 4 月28〜29日にパラグアイのアスンシオンにおいて南米南部農牧審議会(CAS)が開催され、バイオテクノロジー製品の特許料徴収に関する農業大臣宣言が採択された。概要は次のとおりである。

・バイオテクノロジーの利用は、特にCAS加盟国が農産品の重要な生産国であり輸出国であることを考慮すれば、競争力強化などの重要な要素である。その意味において、技術およびその開発に対して、正当かつ適正な報酬を支払うべきであることを再確認する。

・バイオテクノロジーの振興を目的とした地域技術開発のため、各国が共同歩調を取ることができる基準が必要である。

・技術所有者に支払う適正な対価は、種子購入時における特許料の支払いである。

・上記特許料支払い以外の対価については、各生産者団体の代表と技術所有団体との間で、各国の特殊性を尊重しつつ、例外的かつ暫定的に交渉することができる。

・加盟国における農畜産部門の発展および利害に影響を及ぼす可能性のある状況を前に、CAS加盟国が共通の立場を維持することの重要性について、見解が一致していることを表明する。

 

地域における課題を提案

 技術所有者への対価は、種子購入時における支払いであることが確認されたことで、今後の課題として以下の事項が提案されている。

・知的所有権の適用により、農畜産業の発展を妨げる可能性のある要素を阻止するため、加盟国間で知的所有権の法的枠組みの調和に向けた地域基準を定めること。

・バイオテクノロジー利用に関する知的所有権料の徴収システムの仕組みについては、この徴収システムにより生じる可能性のある農畜産部門へのマイナス要因を検証し、さらに、生産者に法的支払義務のない知的所有権の不当な徴収に対し、生産者を援護するものであること。

 

◎ブラジル農務省、GMトウモロコシの輸入手続を決定

 ブラジル農務省(MAPA)は5月3日、アルゼンチンからの遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの輸入手続きについての規定を発表した。同規定は輸入品の受け入れ、加工および使用に際して順守すべき事項を定めており、家畜飼料のみに仕向けられるGMトウモロコシは2004年8月2日付け訓令第3号に従うとされている。この訓令第3号によると輸入業者は貿易統合システム(SISCOMEX)の書式に輸入許可申請事項を記入し、家畜飼料用製品輸入申請書をもって、連邦農業管理庁飼料検査部に分析を要請する。なお、この申請書には輸入品を受け入れる各施設名およびそれぞれの受入量を記載することが求められる。

 MAPAのバイオ管理部の担当者によると、国家バイオ安全技術委員会(CTNBio)が家畜飼料としてのGMトウモロコシの輸入に肯定的な意見を出していることから、この規定を順守することは重要であるとしている。

 こうした中、アルゼンチントウモロコシ協会(MAIZAR)によると、2 万7千トンのGMトウモロコシがロサリオ港から船積みされた。これは、ブラジル北東部のペルナンブコ州のペルナンブコ養鶏協会(Avipe)が買い付けたもので、今後、年間約40万トン(3,500万ドル相当)に上ると見込まれる輸出の皮切りになると見られる。


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