2004年の生産額は大幅に増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 鶏肉は生産額が前年比34.4%と大幅に増加 ● ● ●

 米国農務省(USDA)は4月、「Poultry Production and Value 2004」を発表した。これによると、2004年(2003年12月〜2004年11月。以下同じ。)のブロイラー生産羽数は、前年比2.9%増の87億 4千万羽、また、ブロイラーの生産量(生体重量ベース)は、同4.2%増の20.8百万トンとなった。

 ブロイラー生産額は、前年比34.4%増の204億4,609万ドル(2兆1,877億円、1 ドル=107円)と大幅な増加となった。これは、特に2004年前半で記録的な高値で推移した牛肉および豚肉からの代替需要から国内需要が高まったため、1 羽当たりの販売単価が同29.0%高の100ポンド当たり44.6ドル(キログラム当たり約105円)と高値で推移したことが主な要因である。

 なお、七面鳥の生産量(生体重量ベース)は、前年比2.4%減の3.3百万トンと前年と比較してわずかに減少したものの、生産額は同13.5%増の30億6,542万ドル(3,280億円)となり、鶏肉同様、販売額はかなり大きく増加した。

ブロイラーの生産量と販売額の推移
資料:USDA/NASS「Poultry-Production and Value」各年版
注1:年度は、前年12月〜当該年11月
2:生産量は生体重量ベース
3:販売額は、生体重量換算価額((可食処理ベース価格ー加工コスト)×生体から丸どりへの歩留り)
4:年間出荷羽数が50万羽以下の州を除く

ブロイラーの平均販売単価の推移
資料:USDA/NASS「Poultry-Production and Value」各年版
注:生体重量ベース


● ● ● ジョージア州が引き続き最大の生産州 ● ● ●

 ブロイラー生産量を州別に見ると、最大の生産州はジョージア州(合計に占める割合は15.2%)で、前年比3.1%増の2.9百万トン(生体重量ベース)と 8年連続で首位を保った。これに続く第2のアーカンソー州(同14.5%)および第3位のアラバマ州(同12.8%)の生産量は、前年比でそれぞれ、6.2%増、1.2%増となった。以下、ノースカロライナ州は5.0%増、ミシシッピー州は4.7%増と主要州のすべてで増加した。「ブロイラーベルト」と呼ばれるこれらの南東部 5州で全米の6割が生産されているが、生産額はジョージア州の前年比33.4%増の28億5,758万ドル(3,058億円)、アーカンソー州の同37.5%増27億3,130万ドル(2,922億円)、アラバマ州の同31.0%増の24億698万ドル(2,575億円)といずれも大きく増加している。

● ● ● 鶏肉価格は年後半以降再び上昇か ● ● ●

  このように、2004年は国内での牛肉、豚肉からの代替需要に伴い、鶏肉価格は値上がりしたが、2005年2月に2年ぶりに前年同月を下回った。しかし、USDAによると、ブロイラー価格は今後、輸出量の増加を反映した鶏肉在庫の減少などから2005年後半以降再び上昇するものと見込んでいる。


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