大豆生産主要国の2004/05年度生産・輸出予測


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 米国、輸出予測を上方修正 ● ● ●

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が2005年4月に公表した世界の油糧種子の需給予測によると、米国の2004/05年度(10月〜翌年9月)の大豆輸出予測(4月予測)は、前年度比22.0%増の2,939万トンと、前月予測から95万トン上方修正した。3 月の大豆輸出は予想以上に好調で、特に中国向け、EU向けの伸びが輸出増に大いに貢献したことから、今回予測で上乗せしたとしている。

 最近の市況をみると、ブラジル産大豆が主要生産州の干ばつ大被害による供給不安が影響して価格の高騰が続いており、昨年度は2月以降ブラジル産大豆価格を上回った米国産大豆価格も今年度はそれを下回って推移している。USDAによると、競争相手であるブラジル産との価格差縮小に加え、運賃の優位性が米国産にとって有利に働き、中国およびEU市場で米国産大豆輸出の躍進につながったとしている。

 

● ● ● ブラジル、干ばつの影響で生産・輸出ともに下方修正 ● ● ●

 USDAは、ブラジルの2004/05年度大豆輸出予測(4月予測)を前月予測の2,110万トンから85万トン減の2,025万トン(前年度比21.7%増)へと下方修正した。これは、ブラジルの主要生産州であるリオグランデドスル州など南部諸州で62年ぶりに見舞われた大干ばつの被害による供給不安が背景にある。現地の報告では、最も被害の大きかったリオグランデドスル州だけでも、州内の60〜70%の大豆が収穫不能とされている。

 一方、南部諸州を除いた大部分の地域では、干ばつおよびアジア大豆サビ病の被害に見舞われた前年と比べて、やや改善の兆しが見えてきている。USDAの4月の生産予測は、前月予測から500万トン減の5,400万トンと下方修正になったが、前年度と比べると、2.7%増となっており、生産は上向きつつある。

 

● ● ● アルゼンチン、価格の下落にもかかわらず生産安定 ● ● ●

 USDAのアルゼンチンの2004/05年度予測(4月予測)は、生産・輸出ともに前月から据え置きでそれぞれ、前年度比18.2%増の3,900万トン、同14.3%増767万トンとした。アルゼンチン大豆の生育状態は良好で、今年度は記録的な生産量が期待できるとしている。

 一方、今年度の農家収入は、燃料費などの生産コスト高および大豆価格安から、前年より悪化する見込みである。しかし、アルゼンチンでは、大豆は他の穀物と比べても収益性の高い作物と認知されており、USDAは価格下落が直接農家の大豆離れにつながるとは見ていない。2004/05年度の作付面積は前年度比から2.9%増の1,440万ヘクタールと増加を見込んでいる。

04/05年度の大豆生産・輸出予測
(単位:百万トン)
資料:USDA「Oilseeds:World Markets and Trade」

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