2005年第1四半期の生乳生産量は微減、生乳価格は弱含みへ


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 第1四半期生乳生産量は前年比1.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年1〜3月の平均搾乳牛飼養頭数は前年同期並みの899万5千頭、生乳生産量は前年同期比1.1%増の1,961万 2千トンとなった。生乳生産量を月ごとにみると1月は1.2%増の661万2千トン、2 月は0.8%減の611万9千トン、3 月は2.8%増の688万2千トンとなった。また、1 頭当たりの四半期平均月間泌乳量は同1.1%増の727キログラムとなった。

 主要な乳製品の品目別生産量は、2005年第1四半期は、脱脂粉乳が大幅に減少した一方、チーズがわずかに増加するとともに、バターが前年同期の生産減少の影響からかなりの程度増加した。2005年 3月の主要乳製品の生産量は、チーズが前年同月比2.2%増の36万1千トン、バターは同23.8%増の5万4千トン、脱脂粉乳は同7.7%減の 4万9千トンとなり、チーズは8カ月連続で前年同月を上回っている。

チーズ生産量の推移
資料:USDA/NASS「Dairy Products」

 

● ● ● 生乳価格は22カ月ぶりに前年同月を下回る ● ● ●

 このような中、2005年4月の生乳価格(飲用向けと加工原料向け乳価の加重平均価格)は前年同月比14.9%安の100ポンド当たり15.4ドル(キログラム当たり36円、1 ドル=107円)と22カ月ぶりに前年同月を下回った。また、加工原料乳価格も同21.1%安の同15.0ドル(同35円)と2カ月連続で前年同月を下回った。

 

● ● ● 2004年生産量は微増も総所得は大幅増加 ● ● ●

  USDAが先ごろ発表した「Milk Production, Disposition, and Income 2004」によれば、2004年の全米の生乳生産量は、前年比0.2%増の1,708億 1千万ポンド(7,748万トン)、乳脂肪換算で同0.3%増の62億7千万ポンド(284万トン)となった。年平均搾乳牛頭数は、901万頭と前年を0.8%下回ったものの、1 頭当たり泌乳量が1.1%増加したことから、生産量としてはほぼ前年並みとなった。

 一方、生産額は前年比28.8%増の275億4,941万ドル(約2兆9,478億円)、総所得は、同28.9%増の273億9,227万ドル(約 2兆9,310億円)と乳製品需要の高まりを背景に大幅に増加した。


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