● ● ● 2004年の豚肉輸出量、前年比38%の大幅増加 ● ● ●
欧州統計局(EUROSTAT)が公表した2004年のEU15カ国の豚肉輸出量(冷凍および冷蔵)は、前年比37.9%増の108万9千トンと大幅に増加した。2003年のEUの豚肉輸出量は、日本に次いで重要な輸出先であるロシアおよびルーマニア向けが大幅に落ち込んだことから前年比2.5%減の79万トンにとどまっていたが、2004年は主要輸入相手国への輸出の大幅な増加により初めて100万トン台に乗せることとなった。
● ● ● 主要輸出国へは軒並み大幅増 ● ● ●
輸出動向を相手国別に見ると、前年と比較して第5位の米国が1.5%減少したほかは軒並み大幅に増加している。輸出量が最も多く全体の3割以上を占める日本向けが、牛肉の代替としての豚肉需要が増大したことなどから前年比25.2%増の33万
9千トンとなったほか、第2位のロシア向けが同64.7%増の11万トン、第3位の韓国向けが同88.4%増の8万8千トンとそれぞれ大幅に増加した。また、第
4位のルーマニアへの輸出量は前年の約2倍の7万3千トンで、主要国の中では最も大きな伸びとなっている。
また、新規加盟国(NMS)への輸出も前年比75%と大幅に増加して21万7千トンとなった。この中では、ポーランド向けが前年の2倍以上の
7万7千トン、次いでハンガリー向けが同77.1%増の4万7千トンとなっている。
EU15カ国の豚肉輸出量
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単位:千トン、% |
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資料:EUROSTAT |
● ● ● 新規加盟国からの輸出は大幅減少 ● ● ●
一方、NMSからの豚肉の輸出動向を見ると19万7千トンとなり、前年と比較して24.6%減少しているが、この中でもロシアに対しては前年比65.2%減の
2万8千トン、ルーマニアに対しては同44.2%減の2万3千トンと大幅に減少している。これらの国に対する輸出の減少は、先に述べたようにEU15カ国からの輸出が大きく伸びたためと思われる。また、EU15カ国域内への輸出は前年と比較して6.5%増加し
て4万7千トンとなっているが、これは、ポーランド産豚肉加工品に対する需要が高まった結果とみられている。
NMS10カ国の豚肉輸出量
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単位:千トン、% |
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資料:EUROSTAT |
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