● ● ● と畜頭数は2004年第4四半期以降減少 ● ● ●
米国農務省(USDA)の発表によると、2005年3月の豚と畜頭数は前年同月比1.0%減の895万頭となった。この結果、2005年第1
四半期のと畜頭数は、2,553万頭と前年同期を0.7%下回り、2004年第4四半期以降2期連続で前年同期をわずかに下回った。
と畜頭数の推移
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資料:USDA 「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」 |
● ● ● カナダからの生体輸入問題はシロ ● ● ●
米国のカナダからの生体豚の輸入頭数は、近年一貫して増加傾向で推移しているが、これらの生体豚は、肥育豚(と場直行)と110ポンド未満(約50キログラム未満、肥育向け子豚)に分類される。カナダからの生体豚輸入は、2001年に534万頭(前年比22.4%増)と初めて500万頭台となった後、2003年に744万頭(同29.6%増)、2004年には850万頭(同14.3%増)と増加している。その内訳をみると肥育豚が約35%、110ポンド未満が約65%となっており、米国におけると畜頭数の約
2〜3%をカナダ産生体肥育豚が占めていることになる。
このような中、2004年3月には全国豚肉生産者協議会(NPPC)などが、米国際貿易委員会(ITC)および米国商務省(DOC)に対しカナダ産の生体豚が不当に安価で販売されているとして調査を申請していた。
このことについて、DOCは2004年10月、カナダからの輸入生体豚に対するアンチダンピング(AD)調査に関し、ADの仮決定を行っており、昨年10月後半から仮アンチダンピング税が賦課されていた。
このため、カナダからの生体豚輸入頭数は、2004年12月以降前年を下回って推移しており、2005年1月は前年同月比17.7%減、2 月は同15.9%減と大幅に減少しており、特に肥育豚は、それぞれ20.9%減、21.1%減と全体の減少幅に比べてより大きくなっていた。
ITCは4月6日、カナダからの輸入生体豚に対するアンチダンピングなどの問題について実質的な侵害を米国の豚生産者は受けていないとの決定を行った。これにより、最終的にアンチダンピング(AD)および相殺関税の賦課は行われないこととなり、仮AD税として納付されたものについては輸入者などに返還されることとなる。
従って、カナダ産生体豚の輸入は、肥育豚を中心として再び増加することが見込まれている。
カナダからの生体豚輸入頭数の推移
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資料:USDA 「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」 |
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