全体では前年比4.7%増加
デンマーク豚肉輸出機構連合(DS:同国のと畜組合の上部団体)は先ごろ、2004年の同国の豚肉輸出量(製品重量ベース、生体を含む。)を公表した。
これによれば、同国からの2004年の豚肉輸出量は177万7千トンと、前年比4.7%(8万トン)増となっており、また、これは、2002年に比べ9.0%(15万トン)の増加であり、同国の輸出が順調に拡大していることを示している。
新規加盟国10カ国(NMS)へは5割増、わが国へは2割増
輸出先別に見ると、デンマーク最大の輸出先はEU加盟国である。とりわけ、ドイツ、イギリス、イタリア、スウェーデン、フランスの5カ国に対する輸出量が多く、この5カ国への輸出量は、EU25カ国全体の約87%(EU15カ国全体に占める割合は93%)を占めている。
そのうちでも最大の輸出国がドイツであり、同国に対しては、おう盛な食肉消費を反映し前年比6.6%(2万7千トン)と輸出を伸ばしているものの、イタリア、スウェーデン向けはそれぞれ大きく輸出量が減っていることから、EU15カ国では同0.8%(9千トン)の増加にとどまっている。一方、NMS向けは、同51.7%(2万4千トン)と非常に大きな増加となっており、NMS内での豚肉生産の減少などを補っているものとみられる。
EU域外への輸出を見ると、わが国に対する輸出量は、米国産牛肉などの代替需要から29万1千トンと前年比19.3%(4万7千トン)増となっている。中国への輸出量は4万8千トンと多くはないが、同27.3%の大きな伸びを示しており、今後の動向が注目される。
一方、その他の輸出先では、ロシアに対しては同0.4%増の7万3千トンとほぼ前年並みとなっている。米国に対しては同12%(9千トン)の減少となっているが、これは、平年ベースに戻ったものでありDSが昨年11月時点で見込んでいたとおりとなっている。
飼養頭数も拡大
一方、本年1月1日現在におけるデンマークの豚飼養頭数調査によれば、総飼養頭数は前年比3.4%(44万頭)増の1,341万頭となっている。
このうち、繁殖雌豚頭数は、前年比1.9%(3万2千頭)減の139万7千頭となっているが、と畜場への出荷が間近と見込まれる50キログラム以上の肥育豚の頭数は同11.5%(40万5千頭)の増加となっている。このように肥育豚頭数が増加していることは、わが国における豚肉などの関税の緊急措置終了に備えたものであると推察される。
◎工業用染料による食品汚染問題に対する措置を強化
欧州委員会は4月4日、ウスターソースなどの食品に、承認されていない発がん性工業用染料(スーダンT)が使われていた問題への対策の一つとして、輸入時の検査対象品目を拡大するとともに、食品の安全のために、食品および飼料の事業者が順守すべき7つの義務を再確認させるためのリーフレットを公表した。
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