需要の高まりを背景に2004年の豚肉生産は増加、価格は堅調


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004年豚肉生産は前年比5.6%増の930万トン● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2004年の豚と畜頭数は、前年に比べて2.9%増の1億372万頭と過去最高となった99年を上回るものとなった。また、近年増加傾向にある1頭当たりの枝肉重量は、2004年平均で同0.3%増の90.5キログラムとなった。

 このようなことから、2004年の豚肉生産量は前年比5.6%増の930万2千トンと、国内外における豚肉需要の高まりを背景に初めて900万トン台を突破することとなった。なお、USDAによると、2005年の豚肉生産量は、飼料価格が安価で推移していることなどから1頭当たりの枝肉重量は引き続き増加(前年比1ポンド程度)するものの、カナダからの生体豚輸入が、ダンピングに対する措置(AD税の賦課)などにより約5%程度減少が見込まれるため、940万1千トンとその増加はわずかなもの(前年比1.1%増)になるとしている。なお、ダンピングに対する措置については、今春にも米国商務省(DOC)および米国国際貿易委員会(ITC)により最終決定が行われるとしている。

豚と畜頭数の推移
資料:USDA/ERS「Livestock,Dairy and Poultry and Outlook」

● ● ● 2005年肥育豚価格は引き続き高値 ● ● ●

 2004年の肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)をみると、すべての月で前年を大幅に上回って推移し、2004年平均価格は前年比33.1%高の100ポンド当たり53ドル(キログラム当たり123円、1ドル=105円)となった。USDAによると、このように高値で推移する肥育豚価格により養豚経営の収益は、同30〜40ドル(キログラム当たり70〜93円)程度としている。また、2005年も国内外における強い豚肉需要を受け、2004年水準には届かないものの肥育豚価格は同47〜50ドル(キログラム当たり109〜116円)と引き続き高値で推移すると見込まれている。

● ● ● 国内需要を反映し堅調な卸売価格 ● ● ●

 このように肥育豚価格が高値で推移する中、堅調な国内需要により2004年の部分肉卸売価格(カットアウトバリュー)は高値で推移し、2004年平均は前年比24.9%高の100ポンド当たり74ドル(キログラム当たり171円)、また、同年の豚肉平均小売価格は同5.0%増の1ポンド当たり279セント(100グラム当たり65円)となった。なお、USDAによると、2005年の平均小売価格は前年と同程度の同280セント(同65円)と見込まれている。


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