● ● ● 対日輸出価格は前年度比28.6%高 ● ● ●
2003/04年度の牛肉輸出市場は、対日・対米向け輸出価格の高値が続いた。
豪州農業資源経済局(ABARE)がこのほど公表した四半期ごとの需給予測によると、2003/04年度の対日輸出価格は、前年度比28.6%高の1キログラム当たり4.14米ドル(約435円、1i米ドル=105円)となった。年度を通して見ると、2004年1月、米国産牛肉の輸入停止措置の影響で対日輸出価格は急激に跳ね上がり、過去最高を記録した。2i月に入り混乱は収まったものの、前年度と比較して高い水準で推移を続け、四半期ベースで見ると、前年同期比で17〜20%近い上昇となった。
対日輸出価格の高騰を受けて豪州国内では、フィードロットへの導入数が増加した。2004年9月時点の、フィードロット飼養頭数は、前回調査(6月時点)よりも7%増となり、前年同期の調査と比較しても24%の増加となった。日本向けの飼養頭数も前回調査より10%増加している。
● ● ● 対米輸出は価格・数量ともに上昇 ● ● ●
2003/04年度の対米輸出価格は、1キログラム当たり2.43米ドル(約255円)と、前年度比20.3%の上昇となった。その要因としてABAREは、米国内における強い牛肉需要と供給量の不足を挙げている。カナダでのBSE発生に伴う生体牛輸入停止措置の影響で、米国内の経産牛と畜頭数が減少したことを受け、豪州産加工用牛肉を中心に引き合いが強まったことから値を上げた。
一方、対米輸出量は、前年度比3.1%増の36万1千トンにとどまった。これは、加工向け牛肉の一部が、価格の高騰が続く日本向けに振り替えられたことが要因とされている。
● ● ●来期予測は対日と対米で対照的に● ● ●
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牛肉輸出の推移
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注:2003/04年は概算値、2004/05年は予測値
資料:ABARE「Australian Commodeities 04.4 December Quarter」 |
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2004/05年度の対日輸出の予測についてABAREは米国産牛肉の輸入再開の行方次第で、価格は下降圧力がかかるとしている。このような状況を背景に、輸出価格は、年度全体では前年度比4.3%安の1キログラム当たり3.96米ドル(416円)を見込んでおり、輸出量は同5.1%増の34万8千トンと予測している。
2004/05年度の対米輸出については、米国の強い需要が短期的に継続されるため値上がりが期待できることから、前年度比で12.8%高の2.74米ドル(288円)を見込んでいる。一方、輸出量については、当初の4カ月間は増加が見込まれるものの、その後は減少すると予測している。その要因としてABAREは、豪州における雌牛と畜頭数の減少、米国内での鶏肉や豚肉など代替品目との競争激化、輸出に不利となる豪ドル高の進展、カナダ産牛肉の輸入再開などを挙げている。年度全体では、35万7千トンと前年度比で1.1%減少するとしている。
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