2003/04年度の牛肉生産量、輸出量ともに最高水準


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2003/04年度の牛肉生産は過去最高水準を記録 ● ● ●

 ミート・アンド・ウール・ニュージーランドはこのほど、2003/04年度(7月〜6月)の概況をまとめた「年次報告書 2003-2004」を公表した。

 それによると、2003/04年の牛肉生産動向は、年間を通じた天候不順に大きく左右されたとしている。年度開始の7月時点では、昨年度から続いていた良好な天候の影響で、肉牛の飼育状態が良く、肉用牛飼養頭数は前年度を3.3%上回る水準にあった。しかし、年度前半に襲った干ばつ、および年度後半の冬から春にかけて見舞われた低温多雨の影響で、牧草の生育が悪く、肉牛の飼育状態も悪化したことから、年度末(6月30日時点)の肉用牛飼養頭数は前年度を4.3%下回る123万9千頭となった。

 
2003/04年度の牛肉生産動向
 
  資料:Meat & Wool New Zealand 「Annual Report 2003-2004」
   Meat New Zealand Statistics
   (http://www.nzmeatstats.co.nz/
   

 2003/04年度のと畜頭数および枝肉生産量は、生産者価格が経産牛を除いて堅調に推移していたこと、飼育状態の悪化から昨年度春に飼育された乳用子牛が減少したことなどを背景に、過去最高の水準を記録した。ミート・アンド・ウール・ニュージーランドによると、成牛と畜頭数は前年度比7.4%増の267万頭(うち輸出向け233万頭)、枝肉生産量も前年度比8.2%増の68万6千トン(うち輸出向け61万1千トン)と、過去20年間で最も高い水準にあった前年度を共に上回った。なお、1頭当たりの枝肉重量は対照的に、同0.1%減の254.3キログラム(輸出向けは260.2キログラム)とほぼ前年度並みとなっている。

● ● ● 牛肉輸出量は米国BSE発生を受け、大幅に増加 ● ● ●

 
2003/04年度の牛肉輸出動向
 
  注:製品重量ベース
資料:Meat & Wool New Zealand 「Annual Report 2003-2004」
   

 米国のBSE発生による輸入国の輸入停止措置の影響で、2003/04年度の牛肉輸出は数量、金額ともに躍進を遂げた。ミート・アンド・ウール・ニュージーランドによると、2003/04年度の牛肉輸出量(製品重量ベース)は前年度比14.0%増の46万9千トン(副産物を含む。以下同じ)、牛肉輸出額は同24.8%増の21億NZドル(約1,596億円、1NZドル=76円)となった。

 輸出仕向け先別に見ると、米国・カナダ向けが前年度比2.4%減の26万3千トンに対し、日本向けが同94%増の3万8千トン、韓国向けが同81%増の5万2千トン、台湾向けが同42%増の3万1千トンと、北アジア向け輸出が、米国産牛肉の輸入停止を受けて、飛躍的に伸びている。

注)本編はミート・アンド・ウール・ニュージーランドの年次報告書を基に2003/04年度(7月〜6月)の数値を用いている。ニュージーランド農林省が行った牛肉需給中期予測(SONZAF)は本編トピックス欄「NZの牛肉需給は中期的に減少を予測」を参照のこと。

参考ウェブサイト
・ミート・アンド・ウール・ニュージーランド
 http://www.meatnz.com
・NZ農林省
 http://www.maf.govt.nz


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