牛飼養頭数、減少傾向に歯止め


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 総飼養頭数は前年比1.0%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年1月1日時点における牛の総飼養頭数は、前年同月に比べて1.0%増の9,585万頭となった。1i月1日現在の飼養頭数の推移をみると、近年減少傾向で推移していたものの、今回調査では96年以来9年ぶりに増加に転じ、2000年初期より継続的に続く干ばつの影響などによる、長期間にわたる減少傾向にも歯止めがかかったものと期待されている。

牛飼養頭数の推移
資料:USDA/NASS「Cattle」
注 :各年1月1日現在

● ● ● 繁殖雌牛は0.5%増、肉用未経産牛は4.1%増 ● ● ●

 飼養頭数をカテゴリー別にみると、ほとんどの部門において前年と同水準となった。牛群再構築の指標となる繁殖雌牛は、肉用および乳用の合計で前年比0.5%増の4,206万頭と繁殖基盤の維持が図られている。また、未経産牛をみると、肉用更新用では同4.1%増の575万頭、乳用更新用では同2.8%増の413万頭とともに前年同月を上回り、未経産牛全体では同1.7%増の1,967万頭となった。

 また、飼養頭数を州別にみると、全米で最大のテキサス州は前年比0.7%減の1,380万頭となったものの、カンザス州は前年同の665万頭、また、ネブラスカ州(同1.6%増、635万頭)、カリフォルニア州(同3.8%増、540万頭)、ミズーリ州(同2.3%増、445万頭)など主要州では軒並み前年を上回った。

 なお、これら上位6州で全米全体における牛総飼養頭数の約45%を、また、肉用繁殖雌牛の約40%を占めている。

● ● ● 2005年牛肉生産は増加見込み ● ● ●

 USDAによると、2004年の牛と畜頭数は前年に比べて7.8%減の3,273万頭、また、牛肉生産量(枝肉重量ベース)は前年比6.1%減の1,113万トンとなった。

 なお、USDAの2005年牛肉需給予測によると、(1)2005年の1人当たりの牛肉消費量は同4.4%増の31.2キログラムと、引き続き国内需要が増加傾向で推移すること、(2)相対的に低価格で推移しているカナダの生体牛輸入が今後再開されること−などを背景に、2005年の牛肉生産量は同6.0%増の1,181万トンと増加することが見込まれている。

カテゴリー別牛飼養動向の推移
資料 : USDA/NASS「Cattle」 
注1): 500ポンド以上  2):500ポンド未満の子牛 3):各年1月1日現在

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