2004年の生乳生産量はほぼ前年並み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2004年生乳生産量は、前年比0.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2004年の生乳生産量は、堅調な国内の牛乳乳製品需要や生乳価格が上昇傾向で推移したことなどを背景に、前年に比べて0.1%増の7,732万9千トンとなった。乳用経産牛の平均飼養頭数は、前年比0.8%減の900万9千頭となったものの、1頭当たりの年間泌乳量は同0.9%増の8,584キログラムとなった。このように1頭当たり乳量の増加が飼養頭数の減少幅を補い、生乳生産量は過去最高となった前年とほぼ同水準となっている。

生乳生産量および生乳価格の推移
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
 注:生乳価格は、飲料向け乳価と加工原料向け乳価の加重平均

● ● ● 上位10州で全米の7割を占有 ● ● ●

 生乳生産量を州別にみると、全米で最大のカリフォルニア州は前年比2.9%増の1,654万1千トンとなった。また、新興酪農州であるアイダホ州やテキサス州は乳用経産牛飼養頭数の増加などにより、それぞれ同3.5%増、同6.7%増となった。一方、カリフォルニア州とともに州内の乳用経産牛飼養頭数が100万頭超規模であるウイスコンシン州は同0.8%減、また、ニューヨーク州、ペンシルベニア州の主要酪農州ではともに同2.7%減と生産量が減少した。なお、上位10州で全米における生乳生産量全体の約7割を占めている。

上位10州の生乳生産量
 
  資料:USDA/NASS「Milk Production」
 注:順位は2004年生乳生産量の順位

● ● ● 2004年チーズ生産量は増加、バター、脱脂粉乳は減少 ● ● ●

 このように生乳生産が安定的に推移する中、2004年の主要乳製品の生産量をみると、チーズは前年に比べて2.6%増の401万1千トン、バターは同3.7%減の55万1千トン、脱脂粉乳は同8.9%減の64万トンと、近年国内需要が拡大するチーズ生産の増加が顕著であった。

 また、同年の乳製品卸売価格をみると、チェダーチーズの平均価格は前年比47.4%高の1ポンド当たり194セント(1キログラム当たり約449円、1ドル=105円)、バターは同58.7%高の同182セント(同約421円)、脱脂粉乳は同1.3%高の同85セント(同約197円)と生乳価格の上昇傾向を受け軒並み高値で推移した。しかし、2004年には全体的に高値であった生乳価格も、同年後半以降はその前年比増加幅が縮小傾向にあり今後は下降基調で推移することが見込まれている。


元のページに戻る