● ● ● 生産量は前年同期比11.2%増 ● ● ●
ブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)によると、2005年のひなふ化羽数は、前年比9.8%増の46億9,588万羽となった。州別に見ると南部地方のパラナ州が全体の21.7%を占め、同地方のサンタカタリナ州、南東部地方のサンパウロ州が続き、これら3州で全体の6割を占めている。
また、生産量(骨付きベース)は前年比11.2%増の934万8千トンとなり、国内市場には70.5%の658万6千トンが向けられたが、これは前年を10%上回っている。これを半期別に見ると、上半期は前年同期比5.2%増の310万4千トンであったのに対し、下半期が同14.8%増の348万2千トンとなり、年末に向けて国内市場が供給過剰となったことがうかがえる。
2005年の1人当たりの鶏肉消費量は、APINCOによると35.8キログラムと2004年の33.0キログラムを8.5%上回っている。
ひなふ化羽数の推移
資料:APINCO |
● ● ● 対日輸出量は前年比24.5%増 ● ● ●
ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2005年の鶏肉輸出量(骨付きベース)は、昨年に引き続き主要生産国における鳥インフルエンザ発生により、数少ない供給国としてのブラジル産の需要が高まったことから、前年比13.9%増の276万2千トンとなった。輸出額は平均輸出価格の上昇により、同33.3%増の33億2,421万ドル(3,889億円:1ドル=117円)であった。平均輸出価格は1トン当たり1,204ドル(14万1千円)と前年の同1,029ドル(12万円)に比べ17.0%高となっている。
主要な輸出先を見ると、パーツ主体の日本の輸出量が最大で、前年比24.5%増の40万2,192トン、輸出額は同34.9%増の6億8,735万ドル(804億円)、平均輸出価格は同8.4%高の1,709ドル(20万円)となり、次いで丸どり主体のサウジアラビアが前年比14.2%増の37万9,754トン、輸出額は同38.4%増の4億4,093万ドル(515億9千万円)、平均輸出価格は同21.2%高の1,161ドル(13万6千円)となった。これにロシアが続き、輸出量は同32.5%増の25万3,878トン、輸出額は同62.3%増の2億5,907万ドル(303億1千万円)、平均輸出価格は同22.3%高の1,020ドル(11万9千円)となり、これら上位3カ国で全輸出量の37.5%を占めている。
国別輸出量の推移
資料:SECEX |
● ● ● 2006年の輸出量は前年比5〜10%増の見込み ● ● ●
ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)では、2006年のブロイラー処理羽数を前年比7%増の50億2千羽、国内供給量は同5%増の691万6千トン、輸出量は同5〜10%増という見通しを示していた。
しかし、これまでブラジルの鶏肉輸出の増加要因であった海外における鳥インフルエンザが、その発生地域がアジアからヨーロッパへ拡大するにつれ、人への感染を恐れ、鶏肉の消費を避ける傾向が表れ、輸入国の在庫を増加させており、輸出の減少要因に変わりつつある。
また、業界では、国内生産の増加と輸出の減少に加え、口蹄疫により輸出が減少した豚肉と牛肉の競合により、国内市場への供給が過剰となる懸念を示しており、生産調整の必要性が議論されている。
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