2010/11年度までの需給予測を発表


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005/06年度上半期の生乳生産量、1%増の577万キロリットルに ● ● ●

 豪州農業資源経済局(ABARE)は3月、四半期ごとに行っている農産品需給予測を発表した。2002/03年度の大規模な干ばつにより、大きな減産となった豪州の生乳生産は、気象条件の改善などから、2003/04年度以降回復をみせており、2005/06年度上半期(7〜12月)の生乳生産量についても、前年同期比0.3%増の577万キロリットルとなった。ABAREでは、今後5年間の生乳生産量について、飼料穀物の供給などにより1頭当たりの乳量の増加が見込まれることから、引き続き増加を持続すると予測している。

図1 生乳生産量の推移

資料:ABARE
注 :05/06年度は予測値、06/07年度以降は推計値


● ● ● 2005/06年度の国際価格、供給増から下げの見込み ● ● ●

 2003/04年度に入り、主要乳製品の国際価格は、中国、インドなどのアジア諸国とロシアでの高い需要を背景に大幅に上昇した。しかし、ABAREでは、2005/06年度以降の国際価格について、主要な乳製品輸出国での生乳供給量の増加などから下げに向かうと予測している。2005/06年度の価格予想を品目別に見ると、チーズが前年度比0.1%安の1トン当たり2,800米ドル(32万8千円:1米ドル=117円)、バターが同7.0%安の2,054米ドル(24万円)、脱脂粉乳が同0.5%安の2,200米ドル(25万7千円)の見込みとなっている。

 その要因として、ABAREでは、豪州などの主要輸出国で生乳生産量が増加し、乳製品輸出量の回復が期待されることや、米国やEUの新規加盟国(NMS)からの生産増加が見込まれることを挙げている。経済成長の続くアジアや、ロシアでの乳製品需要は依然として高いものの、世界的な供給量の回復が需給を緩和させ、国際価格の下げ要因に働くとみている。

図2 主要乳製品の国際価格の推移

資料:ABARE
注:05/06年度は予測値、06/07年度以降は推計値


● ● ● チーズ、全粉乳の輸出量が引き続き成長の見込み ● ● ●

 2010/11年度までの豪州の主要乳製品の輸出予測については、バターと脱脂粉乳の輸出量が減少で推移するのに対し、チーズと全粉乳は拡大傾向とみている。現在、豪州のチーズ輸出の最大の仕向け先である日本は、輸出量全体の47%を占めており、世界のチーズ輸入量においても全体の2割を占めている。2000〜2005年までの5年間で日本のチーズ輸入量は、4.9%増加するなど、今後も豪州のチーズをはじめとする乳製品輸出をけん引していくものと見込まれる。

図3 乳製品の輸出動向

資料:ABARE
注:05/06年度は予測値、06/07年度以降は推計値


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