● ● ● カナダ産の輸入再開に伴い、生体牛輸入頭数は21.7%増 ● ● ●
米国農務省(USDA)によると、米国の2005年第3四半期の生体牛輸入頭数は、前年同期比21.7%増34万2千頭となった。輸入国別にみると、メキシコが同53.8%減の13万頭となったが、カナダは2005年7月の輸入再開に伴い、前年同期の0頭から21万2千頭と2000年第3四半期の水準にまで輸入頭数を回復させた。
米国とカナダにおける肥育牛価格の価格差を比較すると、カナダにおけるBSEの発生後、生体100ポンド当たり20〜45米ドル(キログラム当たり52〜118円:1米ドル=119円)と高い水準で推移してきたが、7月の輸入再開直後に伴い同9.8米ドル(キログラム当たり26円)までに縮小、それ以降安定して推移し、8月は同10.2米ドル(キログラム当たり27円)、9月は同12.9米ドル(キログラム当たり34円)となった(図1参照)。しかし、カナダにおけるBSE発生以前の2003年5月の同3ドル(キログラム当たり8円)と比べると依然高い水準にある。USDAによれば、第3四半期の価格差の内訳は、2ドル(キログラム当たり5円)分が燃料価格の高騰によるものであり、残りは輸送費や検査費用などによる差異であるとしている。
図1 米国・カナダの肥育牛価格と両国間の価格差
注:カナダ肥育牛価格は毎月月末の対米ドルレートで換算した
資料:USDA、CanFAX、米連邦準備制度理事会(為替)
● ● ● 牛肉輸出量は8.3%増 ● ● ●
USDAによれば、米国の2005年第3四半期の牛肉輸出量は6万8千トンと前年同期比の8.3%増となった。仕向け先別では、メキシコが同3.0%減の4万6千トンに対して、カナダが56.8%増の1万1千トンと輸出量全体の増加に大きく寄与した。しかし、USDAによると、米国にとって大きな市場であるアジアが米国産牛肉の輸入を再開するまで、米国の牛肉輸出の大きな成長を見込めないとしている。
● ● ● 冷凍在庫の積増し完了で牛肉輸入量は減少 ● ● ●
USDAによれば、米国の2005年第3四半期の牛肉輸入量は前年同期比3.6%減の41万1千トンとなった。その要因としてUSDAは、2005年前半カナダ産生体牛の輸入再開に伴う不確実性により、冷凍在庫は前年同月比1〜2割のペースで取り崩されたが、その後冷凍在庫の積増しが進み、第3四半期にかけて再構築がほぼ完了したことから、在庫の手当てとしていた輸入が減少したとしている。
図2 米国の牛肉輸入量と冷凍在庫量の推移
資料:USDA
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