第4四半期の豚肉生産量は前年同期比1.9%増


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● と畜頭数および枝肉生産量が記録的な水準に ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年第4四半期のと畜頭数は前年同期比1.2%増の2,750万9千頭、枝肉生産量は同1.9%増の251万2千トンと、記録的な水準となった。2005年は穏やかな天候に恵まれ、一腹当たり子豚産子数および離乳率も上昇傾向にあったことから、春および夏の子豚産子数は高い水準で推移した。その結果、出荷時期を迎える秋および冬にかけて、と畜頭数および枝肉生産量の増加につながったとされている。また、軟調に推移する飼料価格に後押しされて、1頭当たりの枝肉重量が前年と比べて1キログラム前後増加している。

図1 四半期ごとの枝肉生産量の推移

資料:USDA


● ● ● 生産増などで卸売価格および肥育豚価格が下落 ● ● ●

 生産量の増加に加え、米国の豚肉消費が伸び悩んでいることから、豚肉卸売価格は前年の水準を下回って推移している。USDAによれば、2005年第4四半期の豚肉卸売価格(平均)は、カットアウトバリューで前年同期比10.6%安100ポンド当たり66.44ドル(キログラム当たり174円:1ドル=119円)、ロインで同6.8%安の100ポンド当たり100.17ドル(キログラム当たり263円)、バラで同12.4%安の78.30ドル(キログラム当たり205円)、ももで同11.0%安の68.22ドル(キログラム当たり179円)とすべての品目で下落した。卸売価格の下落は、生産者に支払われる肥育豚価格にも影響が出ており、USDAによれば2005年第4四半期の肥育豚価格は100ポンド当たり16.9%安の45.16ドル(キログラム当たり118円)と同様に前年を下回っている。

図2 過去3年における卸売価格の推移

資料:USDA


● ● ● 肥育豚価格の下落で生体輸入も前年同期を下回る ● ● ●

 肥育豚価格の下落でカナダからの生体豚輸入も減少している。USDAによれば、2005年1〜10月までのカナダからの生体豚輸入頭数は前年同月比4.7%減の673万1千頭となった。全体に占める110ポンド未満の肥育豚のシェアも前年同期が67.0%であったのに対し、2005年1〜10月は66.2%まで下落している。


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