拡大が続く中国の畜産 ● 中国


2004年の食肉生産量、全体では前年比4.5%増の7,245万トン

 近年の中国では、長期化する経済の高度成長や家畜飼養技術の向上などにより、豚肉や牛肉をはじめとした畜産物の生産規模は順調に拡大している。国家統計局がこのほど出版した2005年中国統計年鑑によると、2004年における各畜種の食肉生産(データとして公表された豚肉、牛肉および羊肉)は前年と比較していずれも増加しており、食肉全体では前年比4.5%増の7,245万トンと過去最高を更新している。


豚肉生産量は、前年比4.0%増の4,702万トン

 中国において豚肉は、伝統的に国民の食生活にとって最も重要な食肉となっている。豚飼養頭数は、97年に初めて行われた第1回全国農業センサス以降増加を続けているが、2004年は前年比3.4%増の4億8,189万頭となり、2000年以降では最も大きい増加率となった。豚肉の生産量は2000年以降、3〜4%台の伸びを維持しており、2004年は同4.0%増の4,519万トンとなった。

 なお、中国では、家畜の中では豚のみのと畜頭数が公表されており、2004年の豚と畜頭数は同4.4%増の6億1.801万頭となっている。


牛肉生産は7%台の増大が続く

 近年の中国では、所得の増加を背景として食生活の多様化が進み、牛肉に対する需要も高まりを見せている。2004年の牛飼養頭数は前年比2.3%増の1億3,782万頭となり、2002年以降は2%台の増加が続いている。これに対し、同年の牛肉生産量は、同7.2%増の676万トンとかなりの程度増加しており、この増加率は飼養頭数のそれを大幅に上回る傾向が続いている。この理由として、国内の穀物生産量が高水準で推移しているため、一頭当たり枝肉重量が増加していることが挙げられる。


生乳生産は大幅増も、増加率は前年を下回る

 一方、食生活の西洋化の伸展で牛乳の需要も急速に増大しており、生乳生産(乳牛由来)は食肉の伸びを上回るペースで増加してきた。特に、2001年以降は20%以上の成長が続いている。2004年も前年比29.5%増の2,261万トンと大幅に増加したものの、伸び率は5年振りに前年を下回った。

 中国では近年、牛乳消費の伸び悩みや、安価な輸入粉乳を使用した還元乳との競合の激化により生乳の需要は頭打ちの状態にあると伝えられる。米国農務省はこうした状況は今後も続くと予想しており、2005年の生乳生産量の伸びはさらに低下する可能性もある。


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