豪州における乳製品消費のトレンド


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● チェダーチーズの生産量は3年連続減少 ● ● ●

 デイリーオーストラリア(DA)が12月に発表した「In Focus 2005」によると、2004/05年度のチーズ生産量は、堅調な国際需要を反映して、前年度比0.5%増の38万6千トンと依然として増加傾向にある。

 生産動向を種類別に見ると、ハードグレーティング(すりおろし用)、フレッシュ、セミハードがそれぞれ同18.2%、15.0%、1.9%増加するなど、チェダータイプ以外の増産が顕著である。チェダーチーズが前年度比5.9%減と3年連続して減少したのに対し、チェダータイプ以外のチーズは全体で同8%増となっている。ピザ向けやフレッシュタイプの消費拡大などし好の変化を背景に、最近の傾向としてチェダータイプ以外への生産にシフトしてきていることがうかがえる。

図1 チーズ種別生産量

資料:DA「In Focus 2005」


● ● ● 消費量もチェダー以外のチーズ生産へシフト ● ● ●

 チーズに関して豪州国内の消費動向をみると、一人当たりの年間チーズ消費量は約12キログラムとほぼ横ばいであるが、DAによると最近の消費傾向として、チェダータイプ以外へと人気が移行している。スーパーマーケットでのチーズ販売量を見ると、チェダーは前年度比1%減に対して、フレッシュ、ハードグレーティングはそれぞれ同8.4%増、同4.1%増など、チェダー以外のチーズは全体で同8.3%増と売り上げを伸ばしており、直近の6年間では19%増と高い伸び率にある。

図2 スーパーマーケットでのチーズ販売量

資料:DA「In Focus 2005」


● ● ● 低脂肪、低カロリー商品のニーズが増加 ● ● ●

 そのほか、特に消費が拡大している乳製品を見ると、健康面に配慮した製品の伸びが目立っている。中でも、バターブレンド(植物油脂を含むもの)、ヨーグルトはともに消費量を伸ばしている。この要因として植物油脂を含むバターブレンドは、コレステロール増加の原因とされる飽和脂肪酸が少なく、伸びやすいことから安定的な需要がある。また、ヨーグルトは、手軽で健康的なイメージから、子供のおやつや、脂肪摂取を気にする大人からも需要がある。DAによると、豪州国内のスーパーマーケットでは低脂肪や、低カロリータイプのヨーグルトの販売が、ヨーグルト製品全体の約65%を占めている。また、飲むタイプのヨーグルトといった新しい商品が販売されるなど、今後のさらなる消費拡大が期待されている。

表 1人1年当たりの乳製品消費量の推移

資料:DA「In Focus 2005」


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