2006年の豚肉市場予測


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 代替需要で豚肉生産は引き続き堅調 ● ● ●

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、米国の2006年豚肉生産量は、前年比2.0%増の959万1千トンと予測している。米国の豚肉生産のうち、輸出に仕向けられる割合は近年高まりを見せており、2001年は8.1%に過ぎなかったのに対して、2005年は13.2%まで伸びている。

 また、世界全体で見ると、2006年の豚肉生産量は前年比2.8%増の9,516万7千トンと予測されており、うち世界生産の5割を占める中国が同4.1%増の5,090万トンとその伸び率に大きく寄与している。ブラジルの豚肉生産は、口蹄疫が発生した地域が主要な豚肉生産地域から外れていたことから、影響は限定的であるとUSDAは見込んでおり、同3.5%増の282万5千トンと予想している。

 今後の生産見通しについてUSDAは、家畜疾病の発生により貿易が低迷する牛肉および鶏肉に代わり、豚肉は動物性たんぱく質の代替需要として引き続き利益を得るであろうとしている。


● ● ● 米国の豚肉消費量は前年比1.7%増、世界では同2.8%増 ● ● ●

 USDAによると、米国の2006年豚肉消費量は、前年比1.7%増の876万3千トンと予測している。また、世界の豚肉消費量は同2.8%増の9,420万7千トンとなっており、うち5割を占める中国は同4.0%増の5,053万5千トンと、世界豚肉消費量の増加分の75%が中国の寄与となっている。


● ● ● 米国の豚肉輸出が世界の4分の1を占める ● ● ●

 USDAによると、米国の2006年豚肉輸出量は、前年比2.8%増の126万3千トンと、引き続き増加が見込まれる。米国の豚肉輸出は、アジアにおける需要の増加および米国に有利な為替レートを背景に、ここ5年で増加の一途をたどっており、2006年の世界全体に占める米国のシェアは、第3位であった2001年から2.9ポイント上昇の24.8%と世界の4分の1を占めるに至っている。

 一方、ブラジルは同2.7%減の72万5千トンと主要輸出国で唯一の減少となる。しかし、USDAの予測によると、口蹄疫が発生したマットグロッソドスル州は豚肉の主要生産州でないことから、口蹄疫によるブラジルの豚肉輸出に与える影響は限定的なものにとどまるとしている。

米国における過去5年間の需給の推移


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