飼養動向は需給のひっ迫で増加傾向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 総飼養頭数は2001年以来の高い水準 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が発表した牛の飼養動向調査によると、2006年1月1日現在における牛の総飼養頭数は、前年同月を1.7%上回る9,710万2千頭と2年連続で増加し、同月では2001年以来の高い水準となった。飼養形態別に見ると、肉用経産牛は同1.0%増の3,325万3千頭、乳用経産牛は同0.6%増の905万8千頭となっている。USDAによれば、チョイス級牛肉の需給がひっ迫し、卸売価格も上昇傾向にあることが、農家の牛群再構築意欲を後押ししているとされている。

 また、2005年の子牛生産頭数は前年度比0.7%増の3,778万頭と10年ぶりに前年を上回った。

図1 全米総飼養頭数の推移

注:各年1月1日現在のもの
資料:USDA


● ● ● 気象条件悪化でフィードロットへの導入が早められる ● ● ●

 USDAによると、2006年1月の全米フィードロット飼養頭数は前年同月比4.5%増の1,180万4千頭となった。内訳を見ると、去勢牛/子牛が同5.5%増の757万頭、未経産牛/子牛が同2.5%増の414万7千頭、経産牛および雄牛が同11.5%増の8万7千頭となっている。未経産牛/子牛の導入頭数の伸びが他の種別より小さくなっており、雌牛保留意欲の表れと考えられる。

 また、フィードロットの導入頭数は188万4千頭と前年同月から2.7%増加したのに対して、出荷頭数は171万5千頭と同3.5%の減少となった。これは、米国中部大平原地方で冬の気象条件が悪化しており、また北西部の大部分で乾燥が続いていることから、フィードロットへの導入が早められたことが要因となっているとされている。


● ● ● 導入頭数の増加で肥育素牛価格などが高騰 ● ● ●

 フィードロットへの導入頭数の増加を受けて、肥育素牛価格の値上がりが続いている。USDAによれば、2006年1月の肥育素牛価格は前年同月比9.6%高の100ポンド当たり120.8ドル(キログラム当たり317円:1ドル=119円)、また、肥育価格は同6.0%高の100ポンド当たり93ドル(キログラム当たり244円)と、共に記録的な高値となった。USDAによると、飼料価格も一年を通じて低水準で推移したことから、繁殖農家の経営は良好な状況にあるとされている。

図2 肥育素牛価格(去勢、オクラホマシティー 600〜650ポンド)

注:会計年度は10月から翌年9月
資料:USDA


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