2005年の調製品輸出が前年比43%増


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年の調製品輸出が前年比43%増 ● ● ●

 ブロイラー加工輸出協会が取りまとめた2005年の鶏肉調製品の輸出量は、前年比43%の増加の27万6千トンとなった。中では日本向け輸出が45%の増加となり、EU向けも5割近くの増加となっている。一方、日本を除くアジア向けは12%の減少となっており、中でも韓国向けが36%の減少となった。

表1 国別輸出状況(2005年)

資料:タイ・ブロイラー加工輸出協会

 一方、タイ大蔵省のとりまとめた1999年から2005年までの鶏肉調製品の輸出量は、図1のとおりであり、引き続き日本、英国およびオランダへの輸出が増加しており、日本とEUが2大輸出先となった。

図1 鶏肉調製品輸出先別数量の推移

資料:タイ大蔵省

図2 2005年鶏肉
  調製品輸出先
  別数量

    資料:タイ大蔵省


● ● ● 2006年は40万トンの調製品輸出を見込む ● ● ●

 先ごろタイ農業協同組合省農業経済事務所は2006年の鶏肉調製品の輸出見込み量を40万トンと発表した。この数値はブロイラー加工輸出協会の2005年の45%増であり、2004年から2005年の増加率を上回っている。

 また、2006年の鶏肉調製品輸出に関して、競争相手である中国で鳥インフルエンザ(AI)の発生が継続しており、タイに有利であるとされている。しかしながら、AIに関してタイでは小康状態が続いているものの、再発の不安が払拭できない状態となっている


● ● ● AI追加対策に小規模養鶏業者が不満 ● ● ●

 ブロイラー農場の設置や運営などは省令で定められた規則「The Ministerial Regulation on Broiler Farm Standard 1999」によって規定され、AI発生後はその対策として設備の改善や出荷前の検査の実施など、各種の追加措置が盛り込まれてきた。

 1月中旬にバンコク市の北西にあるスパンブリー県において、養鶏団体が主催する会議が行政側も参加して開催され、当該規則に関しての議論がなされた。

 この中で、小規模養鶏業者の団体は、規則によれば、飼養規模の大小にかかわらず、養鶏業者は鶏舎に付属してシャワー室、更衣室、焼却炉、作業員と車両の出入りを記録する管理室を整備することが必要となっているが、2〜3千羽を飼養する小規模養鶏業者においては、自宅にこれらの施設を備えている場合があり、このような場合、新たな施設は費用の無駄で、経営を圧迫するものであると訴えた。

 また、家きんの移動に際し、当局からの移動許可の取得後4日以内に実施しなければならず、その後は再検査が必要とされていることに関しても、買い入れ業者の買い叩きの原因となっているとして改善を求めた。

 これに対して、行政側のAI対策センター所長は、実態調査を行うことを表明するとともに、小規模養鶏業者が直面している問題を提示する書面を畜産開発局(DLD)あてに作成するよう指導した。


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