更新牛価格が記録的な高値に


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 規模拡大傾向から更新牛価格は過去最高の高値 ● ● ●

 米国農務省によると、2006年1月の乳用種更新牛価格は、前年同月比13.5%高の1頭当たり1,840ドル(21万9千円:1ドル=119円)と、同月では過去最高の高値となった。乳用種更新牛価格の高騰の要因は、2004年および2005年の好調な農家収益を背景に、規模拡大の意欲が刺激されたことから、更新牛需要が活発になったとされている。


● ● ● 濃厚飼料価格を反映して1頭当たりの泌乳量は3.3%増 ● ● ●

 USDAによると、2006年1月現在の乳用牛飼養頭数は前年同月比0.6%増の905万8千頭と2年連続で増加し、規模拡大傾向を反映する結果となった。

 また、2005年12月の1頭当たりの泌乳量も同3.3%増の743キログラムと2005年3月以降10カ月連続で前年同月を上回っている。泌乳量増加の要因としてUSDAは、前年を下回って推移する濃厚飼料価格が濃厚飼料の給与を後押していることを挙げている。


● ● ● 生乳生産の拡大で生乳の農家販売価格は下落を予想 ● ● ●

 生乳生産の拡大は生乳の農家販売価格の見通しに影を落としている。USDAによると、2006年生乳の農家販売価格は、100ポンド当たり13.4ドル(キログラム当たり35円)と前年比で11.5%下落すると予測されている。好調な国内需要および粉乳国際市場の需給ひっ迫にもかかわらず、生乳生産がそれを上回る勢いで拡大していることが要因となっている。ちなみに、2006年の生乳生産量は、同2.7%増の8,223万6千トンと見込まれている。

 しかし、販売価格の下落に伴い2006年の農家収益は減少が見込まれるが、農家の規模拡大意欲をくじくまでには至らず、今後とも乳用牛飼養頭数の増加傾向が続くものと見られている。

図1 1頭当たりの泌乳量とトウモロコシ価格の推移

資料:USDA

 

図2 生乳生産量と生乳の農家販売価格の推移


注:2005年は見込み、2006年は予測
資料:USDA


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