2004/05年度農業生産額3%減、313億豪ドル
豪州農漁林業省(DAFF)は2006年1月下旬、「豪州の食品統計2005」を発表した。それによると、2004/05年度の農業生産額(漁業含む)は前年度比3%減の313億豪ドル(2兆8,170億円:1豪ドル=90円)となった。一方、豪州全体の食品(飲料含む)小売総額は前年度比3.5%増の918億豪ドル(8兆2,620億円)となった。また、食品輸出額は同9%増の240億豪ドル(2兆1,600億円)、輸入額は同10%増の65億豪ドル(5,850億円)となった。食品輸出額は、豪州全体の商品輸出額の19%を占めている。
豪州食品産業の概況
農業生産額の減少、畜産物増も穀物減が影響
農業生産額の主要な減少要因は、豪州南部および東部の乾燥した気象条件による影響で穀物生産額が前年度比24%減少し、71億豪ドル(6,390億円)となったことによる。特に大麦(同38%減)や小麦(同22%減)、カノーラ(同10%減)の減産の影響を受けた。なお、牛肉や生乳などの畜産物の生産額は、価格の上昇の影響を受け増加し、153億豪ドル(1兆3,770億円)となった。
※農業生産額の品目別シェア(2004/05年度):食肉38%、穀物類23%、生乳10%、魚介類6%、その他23%
2005/06年度の農業生産額は予測では、4%増加し327億豪ドル(2兆9,430億円)となる見込みである。主な増加要因としては、単位当たりの収穫量の増加による穀物生産額の増(18%)や、生乳価格の上昇による増加(8%)を見込んでいる。
一方、食品加工産業の2002/03年度の総売上高(サービス含む)は660億ドル(5兆9,400億円)となった。
※食品加工産業総売上高の品目別シェア(2002/03年度):食肉23%、生乳14%、野菜7%、ワイン類7%、小麦粉やシリアル類6%、その他43%
食品小売総額要因は、商品の価格上昇
2004/05年度の食品の小売総額の増加の要因として、乳製品の小売価格(バターは前年度比13%上昇、チーズは同8%上昇)や、食肉(牛肉や豚肉は同4%上昇)や魚肉類の小売価格の上昇が挙げられる。
販売形態別にみると、スーパーマーケット・食品小売店の食品売上の割合が、全体の62%を占めている。
※販売形態別シェア(2004/05年度):スーパーマーケット・食品小売店62%、カフェ・レストラン12%、テイクアウト10%、酒類販売店6%、その他10%
食品輸出、食肉や乳製品などが増加
食品輸出額の増加要因は、干ばつやSARSの影響からの回復や、砂糖や牛肉、乳製品輸出価格の上昇による。2004/05年度の輸出額は、食肉は前年度比21%増の70億豪ドル(6,300億円)、乳製品は同9%増の25億豪ドル(2,250億円)などとなっている。
※食品輸出額の品目別シェア(2004/05年度):食肉30%、穀物類19%、乳製品10%、ワイン11%、砂糖6%、魚介類3%、その他21%
輸出先では、従来からの日本やアメリカ向けのほか、中国や韓国向けなどが伸びている。
一方、食品の輸入先では、ニュージーランドが最も多く、近年、中国などからの輸入が増加しているが、FTAの効果による米国やタイからの輸入の増加も期待される。
※食品輸入額の品目別シェア(2004/05年度):飲料19%、野菜3%、魚介類14%、その他64%
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