キャトルサイクルは上昇局面へ


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 飼養頭数は、前年同月比1.1%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が発表した牛の飼養動向調査によると、2006年7月1日現在における牛の総飼養頭数は、前年同月を1.1%上回る1億570万頭となった。7月1日現在における牛の飼養頭数としては、95年の1億1,130万頭をピークに減少傾向にあったが、昨年から2年連続で前年同期を上回って推移するなど、キャトルサイクルは上昇局面に転じた。

過去20年間の牛の飼養頭数の推移

資料:USDA「Cattle」
注:各年7月1日現在のもの

● ● ● 肉牛生産は微増● ● ●

 飼養頭数をカテゴリー別に見ると、肉用牛生産の指標となる繁殖雌牛は、その約8割を占める肉用繁殖雌牛が前年同月比0.3%増の3,385万頭、全体では同0.5%増の4,300万頭と緩やかな増加となった。また、未経産牛について見ると、更新用肉用牛は、肉牛生産の中心地域である北平原やコーンベルト地方などで干ばつにより牧草状態が悪化したことから前年と同水準の500万頭となった。なお、昨年10年ぶりに増加に転じた子牛生産頭数も、2006年は前年と同水準の3,790万頭と見込まれている。このようなことから、肉牛生産は緩やかな伸びが予測される。

牛の総飼養頭数
 
資料: USDA「Cattle」
注1: 表中*1は500ポンド以上、*2は500ポンド未満の子牛
2: 各年7月1日現在


● ● ● フィードロット飼養頭数9カ月連続で増加 ● ● ●

 USDAによると、飼養頭数(1,000頭規模以上のフィードロット)は、2005年11月から連続して前年同月を上回って推移しており、2006年7月も前年同月比4.6%増の1,087万2千頭となった。これは、例年にない気温の上昇や干ばつなどの気象条件の悪化から、フィードロットへの導入が早まり、4〜6月にかけて肥育素牛価格が低水準で推移したことが要因とされる。

 このようなことを反映して、2006年6月の導入頭数(1,000頭規模以上のフィードロット)は、前年同月比10.3%増の195万1千頭となり、種類別では600ポンド以下と600〜699ポンドの若齢牛の導入頭数がそれぞれ同37.1%増、同23.9%増と大幅に増加した。


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