NATIONAL CAPITAL BBQ BATTLE(ワシントンDC)



ひとくちMemo

 5月第4月曜日のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)が米国に夏の到来を告げると同時に、ここバーベキュー(BBQ)大国米国に本格的なBBQシーズンが到来する。

 米国の食肉市場価格をみると、牛肉ではロインアイテム(リブアイロール、ストリップロイン、テンダーロイン)、豚肉ではスペアリブやバックリブなど、さらにBBQには欠かせないソーセージやビーフパティの原料となるトリミングなどのBBQアイテムの価格は、夏場のBBQ需要期を前(4〜6月頃)に大きく押し上げられる傾向があり、BBQ人気を物語っている。

  ワシントンDCでは、93年以来、毎年6月中旬に大手スーパーマーケットチェーン・SAFEWAYの主催により、「NATIONAL CAPITAL BBQ BATTLE(全米首都バーベキュー大会)」が開催され、DCの夏の風物詩の一つとなっている。本大会は、過去に米国観光産業協会が調査した全米イベントTOP100にも選出されるなど、米国内での認知度も高いものとなっている。

  今回は、6月24〜25日にわたり開催され、優勝賞金や世界大会への切符を目指し全米各地から約40チームが参加した今年で14回目となる本大会の様子を紹介する。


 スポンサーの一つである米国豚肉生産者の看板には、「The Other White Meat(もう一つの白身肉)」の文字が掲げられていた。近年の消費者の健康志向の高まりに対する、豚肉の低コレステロールのイメージ浸透の努力がうかがえる。

 天候にも恵まれた24日、会場となったキャピトルヒル(国会議事堂のある小高い丘)へと続くペンシルバニア通りは、大勢の見物客で賑わった。本大会は地域や家族とともに楽しみながら、BBQの技術を競うことをスローガンとしている。


 豚の丸焼き(Whole Hog)の準備のため、丹念に皮はぎをする参加者の様子。「この子豚は、120ポンド(54kg)。華氏205度(96℃)で24時間じっくりと丸焼きにする。低温で長時間グリルするのが、おいしいBBQを作る秘けつである」と話していた。

 華氏210度(99℃)で22時間グリルされた豚の丸焼きが完成。グリルする温度と時間は、参加者それぞれに私考(秘策)がある。なお、大会規定では、華氏140度(60℃)以上で調理することとしている。


 BBQの定番であるポークリブ(後方)とビーフリブ(前方)。各参加者特製のBBQソースが付けられ、食欲がそそられる。

 ビーフトップラウンドも、大胆に丸ごと・・・これぞ米国流BBQ。


 写真左は、華氏225度(107℃)で6時間グリルしたロッテサリーチキン(丸どり)。右は、グリル後特製ソースが付けられたチキンウイングとチキンもも肉。




 ビーフハンバーガー、ビーフチーズステーキ、ホットドッグ、これらは、米国外食メニューの定番である。

 休日のワシントンDC近郊の公園では、BBQを楽しむ家族連れの姿が多く見られる。米国の夏場の食肉需要を支えるBBQ、「好きなお肉を豪快に焼いて楽しく食する」これが米国流BBQ。

(ワシントン駐在員事務所 唐澤 哲也、郷 達也)


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