MAPAは移動禁止などを決定
ブラジル農務省(MAPA)が7月6日にリオグランデドスル州(RS州)バーレレアル郡の1農場におけるニューカッスル病の発生を発表したことは、平成18年7月7日発海外トピックスにおいて既に報告したところであるが、ブラジル国内の家きん衛生対策および鶏肉輸入国の対応状況を報告する。
RS州の経営者は、飼育している44羽の家きんに下痢、摂餌量減少、ふらつきなどの症状が見られたことから、5月4日に疾病の疑いが生じたことをRS州農務局に報告した。RS州農務局は同日に同農場を調査し、サンパウロ州カンピーナス市の国家農畜産試験所に検査用試料を送付し、7月4日にニューカッスル病ウイルスであることを確認した。ニューカッスル病発生の報告を受けMAPAは、
(1)発生地においては、家きんの殺処分、飼料および排せつ物などの処分、鶏舎および資材の消毒、清浄化が確認されるまで家きんの導入を禁止
(2)保護区域(発生地から半径3キロメートル以内)においては、サーベイランスの実施、家きんおよび卵の移動禁止、食鳥処理場への家きんの移動およびふ化場への卵の移動にはRS州農務局の認可を必要とすること、区域内での展示会の禁止、保護区域の設定期間は21日間またはRS州農務局の定める期間とし、以降は監視区域に編入されること
(3)監視区域(発生地から半径10キロメートル以内)においては、サーベイランスの実施、家きんおよび卵の15日間の移動禁止、ふ化場への卵の移動を除く家きんおよび卵の監視区域外への移動禁止、区域内での展示会の禁止、監視区域の設定期間は少なくとも30日間の疫学調査を踏まえた期間とすること
(4)国際獣疫事務局(OIE)にニューカッスル病発生の通報
などの措置を行った。
なお同農場の家きんは、自家消費のために飼育されており、販売されていない。
鶏肉輸出への影響は少ないとみる 関係者
現地報道によると、ブラジルの鶏肉関係者は、
(1)主要輸入国である日本やEUの措置が限定的であること
(2)5月以降新たにニューカッスル病の発生がみられないこと
からニューカッスル病の発生による鶏肉輸出への影響は少ないとみているようである。
なお、ニューカッスル病の発生に伴うRS州の養鶏経営にとって最も深刻な問題は、サンタカリーナ州(SC州)への家きんの移動が禁止されていることであると伝えられている。これは、RS州からの家きん製品の輸送に関して、SC州は3つの輸送道路を指定し、かつ加工肉と初生ひなの輸送に限定したことから、SC州のインテグレーション下にあるRS州内の養鶏経営が、SC州の食鳥処理場へ出荷できず、通常生後47日齢で出荷されるブロイラーが50日齢以上に達しているためである。
(参考)鶏肉輸入国の対応状況(ブラジルの現地報道を基に作成)
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