業界団体が鶏卵の消費拡大に向けた取り組み ● 豪 州


一人当たりの鶏卵消費量は米国、日本および西欧諸国と比べて低水準

 豪州における一人当たりの年間鶏卵消費量は169個(2004/05年度)と、米国(260個)、日本(350個)および西欧諸国と比べてかなり低水準にある。一人当たり消費量の変化をみると、1900年代半ばに255個(1948/49年度)であったが、およそ50年間でほぼ半減している。主な要因としては、健康維持と食生活との関連性が注目される中で、相対的にコレステロール含有が高いとして鶏卵が敬遠されたことなどが挙げられている。


鶏卵に対する新たなイメージをアピール

 こうした中、豪州の鶏卵生産業界団体である豪州鶏卵公社(AEC)では、マスメディアなどを利用した鶏卵の消費拡大に向けた活動を行っている。

 2005/06年度の活動については、一つ目の柱として、消費者の鶏卵に対する関心を高めることを目的としている。人気料理家を起用し、テレビ番組、街頭やメディアでのインタビューを通して直接消費者とコミュニケーションを図る一方、鶏卵をベースとした斬新な料理レシピを作成し、家庭向け雑誌や同団体のウェブサイトを通じた紹介や鶏卵を使った料理コンテストの企画を行っている。また、消費者が、日常的にこうした新たな鶏卵の消費を推進するため、食品メディアのイベントを主催し、鶏卵料理のPRや、新しい料理レシピの雑誌や新聞への掲載および著名な料理家や食品専門家へのこういった情報提供を行っている。

 二つ目の柱として、消費者の鶏卵に対する正しい知識の普及を図ることを目的としている。これまでの鶏卵=高コレステロールといった健康へのマイナスイメージを打破し、健康的な生活を送るために鶏卵が必要であることをアピールしていくため、キャンペーン会場や関連商品および鶏卵のパッケージに継続的に認定ロゴを活用していくこととしている。また、健康へのプラスイメージを推進していくため、消費者(特にダイエット中の人)を対象とし、鶏卵がいかに腹持ちのよい食品であるか、さらに、妊婦やその胎児に対して、いかに必要な栄養成分が含まれているかなどに着目してアピールしていくこととしている。

 なお、健康や栄養に関する専門家で構成された鶏卵の栄養に関する諮問グループ(ENAG)を独立した立場で立ち上げ、AECなどを通じて健康管理に係る業界に対し、公正かつ正確な情報提供を行うこととしている。


鶏卵は自足自給

 豪州統計局(ABS)の資料によると、豪州における鶏卵生産の状況(2005年6月末現在)は次のとおりとなっている。


 生産量を州別にみると、ニューサウスウェールズ州(28.5%)、ビクトリア州(28.0%)、クイーンズランド州(21.0%)の順となっており、上位3州で全体の8割弱を占めている。

 流通形態は、約9割が殻つき卵で、残りが加工用で流通している。鶏卵の輸出および輸入量については限定的で、輸出量は全体の1%以下としている。

 また、飼養形態は、約8割がケージ飼いで、残りがフリーレンジなどとなっている。


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