南米トウモロコシ、記録的な生産増となる見込み


◇絵でみる需給動向◇

● ● ● 記録的となるブラジル、アルゼンチンのトウモロコシ生産量 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が2月に公表した飼料穀物需給予測によると、ブラジルとアルゼンチンにおける2006/07年度のトウモロコシ生産は、生育環境が良好であったことを受け、ブラジルは前月予測を400万トン上回る4,600万トン、アルゼンチンは同200万トン上回る2,100万トンと、それぞれ上方修正された。この生産量は両国にとって記録的であり、ブラジルは前年度を10.3%上回り、アルゼンチンは同32.9%上回る。

ブラジルの生産量と輸出量

資料:USDA

 このため、米国に次ぐ世界第2位の輸出国であるブラジルとアルゼンチンの輸出量は、それぞれ、500万トン、1,300万トンが見込まれている。現在、米国以外の国からトウモロコシの出回りが少ないため、米国産トウモロコシの輸出契約は、猛烈なペースで突出しており、前年同期を40%上回っているとしている。しかし、この数カ月以内に、ブラジルとアルゼンチン産トウモロコシの輸出が開始されることから、米国産トウモロコシの輸出量は一息つくとの見通しである。


● ● ● アルゼンチン、輸出量の増加から輸出登録を一時的に停止 ● ● ●

 米国のトウモロコシ在庫水準が低いことや、エタノール燃料向けの需要が力強いことなどにより、トウモロコシの国際価格が高値で推移しているため、アルゼンチンの新穀の船積みペースが早まると見込まれている。アルゼンチンの新穀の輸出登録は、すでに1,050万トンに上っており、これは輸出予測量の80.8%を占めることになることから、アルゼンチン政府は、トウモロコシの輸出登録を一時的に停止する措置を講じた。

アルゼンチンの生産量と輸出量

資料:USDA


● ● ● メキシコは需要の増加から輸入が増加の見込み ● ● ●

 2006/07年度におけるメキシコのトウモロコシ生産量は、豊作から前年度比112.8%の2,200万トンとなる記録的な数量が見込まれている。しかしながら、トウモロコシの国内価格の上昇を抑えるため、輸入枠を増加していることが要因となり、日本、韓国に続く世界第3位の輸入国であるメキシコの2006/07年度におけるトウモロコシ輸入量は、前年度を110.5%上回る750万トンと記録的な数量が見込まれている。

 輸入量の上位3カ国を見ると、日本は前年度を99.3%と下回るが、韓国、メキシコの輸入量が増加するため、上位3カ国全体では、前年度比102.9%増と見込まれている。なお、中国は、トウモロコシの国際相場が高騰しているにもかかわらず、国内需要がおう盛なことなどから積極的な輸出姿勢を示していないとのことである。


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